株式会社まんだらけ マンガ専門古書店の最大手企業。経常利益率10％超の高収益企業 株式会社まんだらけ 代表取締役会長 古川 益蔵　 (2012年9月取材)

キャリア

【古川】

一番大事なのは「感性」と「謙虚さ」。今でこそまんだらけのトップで鑑定をやっていますが、創業当時は何にも知らなかった。自分の漫画のことしか知らなかった。マニアックなことは、全部マニアから話を聞いて、勉強になるから話を一日中でも聞いている。それを他のマニアの人に聞いたことをそのまま話す。その人に「すごいな」と思ってくれて買ってくれる。今でも従業員には、マニアの人を大切にして、マニアの人の話を聞きなさい、マニアの人は知っている、お客様の方が知っている。僕らも勉強しますが、僕らは広範囲に色々なカテゴリーを勉強しないといけない。専門性からするとマニアの人が上、自分は知らないのだと謙虚になって話を聞きなさいと言っているんですけど、なかなかそれができない。

【古川】

「これがいいんだ」という感性を教えるには難しい。「美術館や博物館にはとにかく行け」わからなくてもいいからさらされているだけで、だんだんわかってくる。その辺を教えるのは難しい。剣の達人が山で弟子に教えるように、口ではだめ、身体で教える。いいもの見せて、いいもの触らせて覚えていってもらう。

みんな子供の頃に好きだったジャンルしかできない。それを違うんだよって。こっちに「こんな面白いものがある」とやらせてみる。入社したときは、自分が好きなところをやりなさい。そこを伸ばしていって、こっちにもこんな面白いものがあると気が付く人もいる。そういう人には「こっちをやってみなさい」あるいは、こいつは才能あるなと思ったら無理やり引っ張っていく。半年くらいやると「社長面白かったですよ」とか「興味わいてきました」となってくる。もともと素質があるから。そういう会社。そういう感じで扱うカテゴリーが20以上になってしまった。