Vol.3 事業
事業
【田中】
コモディティと言うキーワードがすごく重要だと思っています。コモディティ化というキーワードがあってですね、よくネガティブな話のときにコモディティ化という話をすることが多いんですね。例えばITがコモディティ化して非常に安価になってしまった、みたいな文脈で話すわけですが、私はコモディティ化した中でも売れるものと売れないものがあるのではないかなと思っています。例えばトイレットペーパーというのは、月に10本使ったとしてそれが20本売れるかというと売れないわけです。となると値段を下げてたくさん買ってもらうということは不可能なわけなので、どちらかというと売上を増やすためにはトイレットペーパーの品質を上げていくと。例えば2枚巻きにするとか、ソフトなやつにするだとか。あとティッシュペーパーですごく柔らかい「鼻セレブ」なんて本当に柔らかいわけですよね。ティッシュペーパーを今の10倍使わせることはできないですから、値段を下げてたくさん売るというのは、ティッシュペーパー、トイレットペーパーでは不可能なんです。安くしたからといって量が売れないものについては、高品質化や高付加価値化というものがすごく重要だと思っています。ただ、サーバというのは払えるお金というのはお客様限られますけども、例えば半額になったら倍、3倍使っていただける可能性が広がるモノだというふうに思っています。コモディティ化した時に値段を下げても一定以上売れないものなのか、もしくはコモディティ化してどんどん値段を下げることによって、量が売れるようになって市場が広がるモノなのか、その見極めが重要だと思っています。
【田中】
例えばSNSの会社さんが過去1年間しか画像を保存できなかったものを過去10年間保存できるようにすれば、お客様へのサービスは向上するわけです。なのでサーバに関しては、サーバリソース、ITインフラに関しては安くなっても大量に買っていただいてお客様がやれることがどんどん広がっていくはずだというふうに思っています。
【田中】
当社が一番今課題に感じているのは、以前と違ってお客様が買いに来てくれるような状況ではなくなったということにあります。というのも以前の当社の場合はウェブサイトを作って口コミで多くのお客様を獲得していたという状況があります。しかしながらクラウドとかデータセンターの競合が非常にたくさん出てきている中で、第一に当社を連想して選んでいただける存在でなくなってきたというのが現状にあります。ですので現在当社が攻めの姿勢として取り組んでいるのが、営業の強化ということがございます。お客様との接点を増やしていくと。今までですといつのまにか解約の申込書が郵送されてくると、もしくはオンラインでいつのまにか解約をされていた、ということがありましたけども、特に大口のお客様であるとか、法人のお客様を中心に現在の利用状況をお伺いに行ったりだとか、アップグレードのお申し出をいただいたりとか、そういう積極的なお客様との接点の拡大というのを進めています。あとは当社のことを知ってもらうという意味で自社の主催のイベントなども最近は広げておりまして、そういったイベントに当社のエンジニアであるとかサービスの企画をしている人間を登壇させることによって、お客様に当社をもっと知っていただくというそういった取り組みもしてします。ですのでお客様との接点をいかに強化するかという事を中心に現在施策をさせていただいているという状況です。
【田中】
今後ということになるとやはり当社はITインフラの会社です。ITインフラの会社というとやはり規模が重要になってくると。そういった中でいうとやはり世界中でさくらインターネットが使われると。そういった状況にしたいなと思っていて、今だと有名なソーシャルゲームのサイトであるとか、様々やエンターテイメントのサイトなんかを見ると、実はさくらインターネットを使ってもらっているということが多いのですけども、世界中の人達がいつの間にかさくらインターネットを使っていると。今だと海外にわざわざ売りにいくという感覚で日本は輸出するわけですけども、インターネットの時代というのはどの国の商品かどの国のサービスか、たいして気にしないようになってきます。それこそGoogleがアメリカの会社だからと意識して使っている人がいないのと同じように、さくらインターネットが日本の会社だと認識もされないままで世界中の人達が自然に使っている、そういう会社になりたいなと思っています。
経営者プロフィール
氏名 | 田中 邦裕 |
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役職 | 代表取締役社長 / 最高経営責任者 |
生年月日 | 1978年1月14日 |
出身校 | 舞鶴工業高等専門学校(1993年-1998年) |
座右の銘 | 『思い立ったが吉日』すぐ行動することが、イノベーションのより良い革新に繋がると思うから。 |
愛読書 | 「イノベーションのジレンマ」著:クレイトン・クリステンセン |
会社概要
社名 | さくらインターネット株式会社 |
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本社所在地 | 大阪府大阪市北区大深町6-38 グラングリーン大阪 北館 JAM BASE 3F |
設立 | 1999 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
田中 邦裕
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従業員数 | 755 名 |
WEBサイト | http://www.sakura.ad.jp/ |
事業概要 | インターネットへの接続サービスの提供、インターネットでのサーバの設置およびその管理業務、インターネットを利用した各種情報提供、サービス業務、電気通信事業法に基づく電気通信事業、マルチメディアの企画ならびに製作・販売、インターネットに関するコンサルティング、コンピュータソフトウェアの企画・開発およびその販売、コンピュータおよびその周辺機器の製作および販売・保守、不動産の賃貸および管理 |