Vol.1 歴史
歴史
【田中】
もともと当社を創業した時というのは学生時代だったんですけれども、そのきっかけになったのが自分でやっていたサーバー事業でした。実は創業する前から学内の学生さんであったりとか、教官の人たちに実はサーバーのレンタルをしていたんですね。当時はWebサーバがはやっていまして、いわゆるホームページがはやり始めた時期なんですね。普通の方はホームページを閲覧するだけだったのですが、どうにか自分で発信ができないかなというふうに考えていました。ですので自分でコンピュータを買ってきてホームページの配信ができるようなサーバーを構築していたのですけども、自分だけで使うよりも友達に使ってもらった方がいいだろうということもありまして、学内限定でホームページを作ってサーバで配信するというビジネスをしていました。ただ、実はインターネットを通じて、学外の方からもかなり使いたいという声が出てきまして、学外にちゃんとサーバを構築してそのサーバからホームページを配信したいということが直接のきっかけだったんですけれども、どうしてもサーバを構築する、レンタルする、というとお金がかかりますので、それであれば、きちんとお客様からお金をいただいて、そしてホームページの配信をできるサーバを安価に貸そうということがきっかけになりまして創業したということです。ですので何かこういうふうなことがしたいというよりも、自分がすでに始めていたホームページ配信のサーバサービスを商用化してしっかりと継続性のあるものにしていこうということで創業しました。
【田中】
実は私の身の周りには起業しようというふうな人は少なかったのだが、ふたを開けてみると上場企業の社長に舞鶴高専卒という方が何人かおられてですね、かつ統計的にも高専生というのは普通の大学卒業者よりも起業する確率が高いらしいんですね。高専が面白いのは違う高専であっても高専卒というだけで同じ大学に通っていたかのように仲良くなれるということで、1校1校は小さくても高専全体でいうと非常に仲良しになれる確率が高いということがあるのでですね、その辺りは大人になってからよかったと思う点ではありますね。
【田中】
ここまで成長したポイントということでいくつかあると思うのですけれども、始めた時期が良かったと言うことが挙げられると思います。というのも、世の中にないものを提供するということが1つポイントになっていると思っています。当時というのはサーバは非常に高かったですし、品質も非常に低かったというような状況でした。やはり私以外の方も大きくなった会社の創業者の方とお話をしていると会社を大きくしてもっと新しいことをしたいという思いの強い方が多いんですね。そういったことをいうと、当社は企業理念にも定めているのですけれども、スケールメリットによってITはコストダウンできるだろうという考えを持っています。ですのでどんどん大きくしてお客様に安くてよいものを提供したいという思いを自分自身も社員にも伝えてやってきた結果なのかなというふうに思っています。
【田中】
あともう1つタイミングということで挙げておきたいのがネットバブルの時期だったということも挙げられます。インフラのビジネスですので当社のようなビジネス形態というのはベンチャーがやるには非常に難しい形態なんですけども、当時はそれこそ会社を作ってすぐでも何億も投資してくれるような人たちがいました。シリコンバレーはたくさんの投資をしてくれて日本はしてくれないので日本の会社は伸びないと言いますが、少なくとも当時の日本のITを取り巻く環境であれば、たくさんの投資家がITの未来に対して投資をしてくれるというような時代でした。ですのでインフラのような非常にお金のかかる事業であったとしても、たくさんの方が巨額の投資をいただけたということから大きくなった足がかりをつかめたんだろうというふうに思っております。
【田中】
もともとは当社、私が創業しましてもう1人の共同創業者とともにビジネスをしてきたわけですが、本業であるサーバ以外の事業に一時期手を伸ばしていたわけですが、その事業がうまくいかなかったという時期がありました。そういった時期に双日さんが非常に真摯に当社の未来を考えていただき、当社としてもその時の担当者の方と非常に考えが合ったということがございました。その時の考えというのは世の中がデータセンターの重要性が増し、そしてクラウドのような借りて使えるITがどんどん広がるだろうとそういう考えからでした。ですのでそういった考えを共有できるそういった方がいる双日に当社が本業に回帰するに当たっての支援をしてほしいという思いから双日グループに入ったということございます。
経営者プロフィール
氏名 | 田中 邦裕 |
---|---|
役職 | 代表取締役社長 / 最高経営責任者 |
生年月日 | 1978年1月14日 |
出身校 | 舞鶴工業高等専門学校(1993年-1998年) |
座右の銘 | 『思い立ったが吉日』すぐ行動することが、イノベーションのより良い革新に繋がると思うから。 |
愛読書 | 「イノベーションのジレンマ」著:クレイトン・クリステンセン |
会社概要
社名 | さくらインターネット株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 大阪府大阪市北区大深町6-38 グラングリーン大阪 北館 JAM BASE 3F |
設立 | 1999 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
田中 邦裕
|
従業員数 | 755 名 |
WEBサイト | http://www.sakura.ad.jp/ |
事業概要 | インターネットへの接続サービスの提供、インターネットでのサーバの設置およびその管理業務、インターネットを利用した各種情報提供、サービス業務、電気通信事業法に基づく電気通信事業、マルチメディアの企画ならびに製作・販売、インターネットに関するコンサルティング、コンピュータソフトウェアの企画・開発およびその販売、コンピュータおよびその周辺機器の製作および販売・保守、不動産の賃貸および管理 |