株式会社オークファン 中立的な立場の国内最大級のオークション比較・検索サイトト『オークファン』を運営 株式会社オークファン 代表取締役 社長 武永 修一　

歴史

【武永】

小さい頃から学校ではやったビックリマンシールやファミコンのカセットなどを要らない人から譲り受け、お店に転売することが好きな少年だったんですね。当時、大学院にいき弁護士になろうと思ったときに、結構学費や生活費を考えると、2年間で600万700万を貯めないといけない。当時生活もかなり自堕落だったので昼過ぎにピッとテレビをつけたら、ちょうどその時に何かのワイドショーのコーナーでインターネットオークションが今熱いと。最初はいろいろな参考書やいらない時計などを売ったのですが、軒並み自分が予想しているいわゆるフリーマーケットやバザーの価格よりも全然高く売れまして、中には新品に近いぐらいの売れ行きだったんですけれども。とりわけ自分が興味を持ったのが男性物のブランド品が本当に飛ぶように売れた。これはすごいビジネスチャンスだなということで、Yahoo!オークションや楽天や当時あったDeNAがやってるビッターズというところの一番（値段の）高いところで、どこかからか買ってきた物を転売しようということを始めたのが、学生の時のビジネスですね。

【武永】

途中から結構同業他社とお付き合いもあったのですが、「君、なんかYahoo!オークションとかでずっと調べてるみたいだけど、過去のオークションの落札データを出してるサイトがあると。それ見たら一発だよ」と言われ、それは困ると思って。なぜ困るかというと、自分にとっては効率化してうれしいのですが、自分だけが知っている相場を一般公開されてしまうと正直な話、お金を持って誰もが旅行に行けば誰もが買えてしまうというところで、非常に自分としては危機感をもった。その時に同業者にいわれて見たのが、今のオークファンだったんですけれど。このオークファンという存在は非常に気になっていまして、自分もいつ競合が出てきて売り上げが下がるか分からない。それよりもこのオークファンというサービスをもっともっと逆に世の中の人にたくさん公開をすると、商売というよりは世の中の人みんなが、自分が持っている物はお金になるんだ、ということが分かるのではないかと思ったんですね。

【武永】

そしたらもっともっとみんなが買ったものを売る世の中になって、それがまた誰かが買うというふうに金融業界に近いんですが、物とお金が循環するような、いわゆる血流が良くなるのではないだろうかということで、私はずっとこういうサイトをやりたいと思ってたんですよ。そのチャンスが訪れたのが2005年の夏。今から約8年前ですが、たまたま私の友達から電話がかかってきて、「前、武永さんが言ってた過去のオークションデータが出るサイトって実はうちのアルバイトがやっているサイトだったんですよ」って。「今度お引き合わせしましょうか」と言われたのでお会いしている時にDeNAのアルバイト、今はもう取締役CTOなのでナンバー２なんですけど、川崎さんという方がいて「まさかあなたがオークファンを作った人ですか」と言ったら「知ってるんですか」みたいな。

【武永】

その時に私としては、これは千載一遇のチャンスだと。今まで毎日何時間も見てたサイトを作った人がこの目の前にいると。これはもうこのサイトを一緒にやらせていただくしかないと思い、「川崎さん、そのサイト、会社化して一緒にやりません？あなた社長で、僕副社長でいいですよ」という話をしたのですけれど。当時彼はモバゲータウンを作っていたので、実は会社化するというよりも結構DeNAにコミットモードだったので、「そこまで言うならあなたが引き継いでもらっても全然選択肢としてはあり得ると。ただ、武永さんシステム分からないですよねと。出来ますか」と言われたときに、正直私ではできなかったので、それで今うちの役員をやっている人間と一緒に行って、僕が引き継いで彼が運用をしますと。このサイト大きな可能性があって、日本中の人々に物を売る、もしくは売りを前提として物を買う、という新しい消費行動を提供したいんですと、それで本人がじゃあ分かりましたとお譲りしましょうと言ったのが今でも覚えているんですけど、2006年の2月に、全部サイトのドメインやソースなどをもらって、そのまま移行したのが。なので、今のオークファンの歴史はそこから始まったんですね。それまで私はリサイクルショップというか輸入販売の会社をやっていたというところがきっかけですかね。