Vol.2 経営哲学
経営哲学(価値観、社長のモットー)
【椛島】
「あいつカッコイイことばっかり言っているな」と思われると、ちょっと困るんですけれども、私の価値観としましては、うちと関わりのあった人たち、例えばシーズメンに勤めている今の社員が最後に「ああ、シーズメンに勤めていてよかったな」とか、それからうちと取引していただいているメーカーさん「ああ、しずめんと取引していて良かった」とか。もちろん、株主の方も、「ああ、シーズメンの株を持っていて良かった」と、うちと関わりのある人たちには、途中はとともかく、一定期間過ぎたときには「ああ、良かった」と思ってもらうこと、それが私の一番の価値観というか希望なんですね。
ですから、社員に私が一番単語として発するのは「人生必ず帳尻が合うぞ」と。だから、頑張ったら頑張っただけの帳尻が来るし、良いことをしたら良いことをしただけの帳尻が来るわけだから、ちゃんとしてやろうよ、と。絶対に帳尻が合うぞ、と。毎週、何年間も言っていますね。
ですから、うちの社員は、もう耳にタコができました、というやつがいるかもしれませんけれども、でもほとんどの人間が今はきつくても今頑張っていれば、先々必ず良い思いができるんだという、そういう思いで仕事をしていると思います。でも、これは私ももう還暦を過ぎて相当立ちますけれども、自分がこれまでいろいろ世の中を見てきた中でも、本当に帳尻は合うぞ、と。これは私の実感ですし、価値観とはちょっと違うかもしれませんけれども、うちはこういう会社です。
【椛島】
あらゆることの原因なり結果というのは、全部自分にあるというのが考え方の基本で、一般に「自力本願」といえば、皆さん分かっていただけると思いますけれども、何年か前にはうちの連中も、Tシャツに「自力本願」とプリントしたものを作りましてね、販売したこともあるんです。
うちの連中もそこのところは、よくわかっていると思います。先ほど、人生帳尻が合うよということと同じく、自力本願というのも、本当に耳がタコができるくらいしょっちゅう言いますし、自分で頑張っていれば、人も見捨てないんですよね。誰かが助けてくれるだろうと思っていると、実はとんでもないことで一番助けてくれると思った人が、パッと去ってしまったりね。基本ね、やっぱり自力本願というのがあると、問題の本質からきちんと捉えられるようになるんですね。
ある意味全部自分に返ってくるから、厳しいんでしょうけれども、これからの日本は、ますます厳しくなっていくだろうし、最近の若い人たちの風潮で、親が悪いからとか、あんたが悪いからとか、先生が悪いからとか、ましてや会社が悪いからなんていう人が、いっぱいいますけれども、会社が悪かったら、自分が良くしてやるというくらいの気持ちがないと、会社も良くならないし、毎日毎日に張り合いがないですよね。
【椛島】
誰でも、本来持っている顕在・潜在含めて持っている能力というのは、すごいものがあると思うんですよ。でも、普通にやっていると、その持っている能力のごく一部しか発揮していない、そのままで終わる人がほとんどだと思うんですよ。私が「自力本願」「自力本願」というのは「自分でやりなさいよ」ということでやっていると、どんどん新しい能力、自分で気づいていない、でも自分で持っていた能力が、どんどん出てくると思うんですよね。で、どんどん自分で責任を持ってやっていると、もちろんそれでうまくいくこともありますし、うまくいかないこともあります。でも、失敗を恐れていたんじゃ何もできません。そういうことで、私は積極的に何かやってそして失敗した人だったら、決して責めません。むしろ、失敗した分だけ、こいつは引き出しが増えたな、とそういう言い方をしますね。
だから、ぜひこれからも自力本願という、そこのところを全員が理解して、そして持っている能力を全部発揮するように、そしたら会社はものすごく発展していきますよね。みんなどんな能力がこれから出てくるか、楽しみにしております。
経営者プロフィール
氏名 | 椛島 正司 |
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役職 | 元代表取締役会長兼社長 |
会社概要
社名 | 株式会社シーズメン |
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本社所在地 | 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目5番4号 |
設立 | 1989 |
業種分類 | 小売業 |
代表者名 |
椛島 正司
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従業員数 | 119名 |
WEBサイト | http://www.csmen.co.jp/ |
事業概要 | カジュアルウェアを主に扱う小売専門店。大都市圏を中心に全国規模で直営ショップを展開。 |