Vol.1 証券マンだったバブル期と現在の違い
―証券マンだったバブル期と現在の違い―
【聞き手】
本日は、日本の漫画、アニメといったコンテンツを世界に発信しており、クールジャパンの代表格ともいえます、株式会社ブシロードの木谷高明社長(当時)にお話を伺っていきたいと思います。それでは社長、よろしくお願い致します。
【木谷】
よろしくお願い致します。
【聞き手】
昔はやはり漫画の世代だと思うんのですが、漫画はお好きだったんですか。
【木谷】
そうですね、漫画とプロレスですね。
テレビでプロレスを見た後、雑誌を何誌も買って何度も熟読するわけですよ。これがの高校時代の人生の楽しみの7割くらいを占めていましたね。ですから、高校時代の私が今の私を見たら、「未来の俺格好いい」と言っているかもしれませんね。高校時代の暗い自分を裏切ることになってよかったなと思います。
【聞き手】
しかし就職活動というような、将来について考えなくてはいけない時期というのが来るじゃないですか。そういった時に、どういう仕事に就きたいとお考えになられたんですか。
【木谷】
よく中学、高校生くらいから、将来何になるか考えなさいという話はあるじゃないですか。ほとんどの人が分からないですよね。大学になってもよく分からないじゃないですか。
私は株に非常に興味があったので、やはり証券会社行ってみたいなと思いました。厳しい会社だと聞いていましたが、1回やってみたいなと、証券会社を志望しましたね。
【聞き手】
日本が本当にバブルと言われていた、とても大きく世の中でお金が動いていた時代にいわゆる証券マンとして、金融の第一線でやっていらっしゃったということですが、その当時を振り返ってみるとどうだったのですか。
【木谷】
色々なことが面白かったですよね。社会全体が浮かれている、酔っ払っているみたいな時期だったじゃないですか。でも、今のほうがやりたいことができると思います。
【聞き手】
それはなぜですか。
【木谷】
お金の話をするのは何なのですが、バブルの時代というのはお金があってもできないことがたくさんあったと思うんですよ。例えば、タクシーがすぐ来ないとか。今だったらタクシーだらけじゃないですか。タクシーって至るところにいますよね。
【聞き手】
昔は有名な話で、六本木交差点のところで札束を振ってタクシーを待っていらっしゃったとか。
【木谷】
あれは大げさな話ですけれども、私も20代の時は朝方まで喫茶店などで時間をつぶすみたいなことがありましたよ。だから今のほうが、色々なチャンスがある時代。バブルのほうが実は狭まっていた時代だと。
例えば若い人が起業するということもなかったし、中小企業があってもベンチャー企業はなかった時代ですし。大企業から仕事をもらう、大企業と取引するってとても難しかった時代ですし、若い人の選択肢は今のほうが遥かに広いと思うんですよね。
【聞き手】
私たちの若い頃って、それこそインターネットなんて身近なところになかったですし、誰かに会いたいとか情報を取りたいとか、今みたいに気軽にできないので、確かに今のほうがそうですね。
【木谷】
そう思いますね。その代わり、情報量が非常に増えたので、僕らの若いころに比べたらもう千倍二千倍、何万倍も増えている可能性がありますね。ですからそれらの中から情報を選ぶことや、自分がちゃんと見て選択するということが非常に大切だし、難しい時代かもしれないですね
【聞き手】
私は今回、お話をお伺いするにあたって、木谷社長のご経歴を色々拝見させていただきまして。まず最初に驚いたのが、こういったコンテンツをつくる、発信していらっしゃる会社の経営者で、証券会社、しかも山一證券にというのは、意外すぎてとても驚きました。
【木谷】
でも、こういうキャラクターの人気と株式はとても似てますよ。
【聞き手】
そうなんですか。どれが来るのだろう、みたいな感じでしょうか。
【木谷】
そうそう。煽って、トレンドに乗って…。非常に似てますよね、生き物ですね。
【聞き手】
確かにそういう考え方もありますよね。
【木谷】
違和感は私はないです。
経営者プロフィール
氏名 | 木谷 高明 |
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役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
社名 | 株式会社ブシロード |
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本社所在地 | 東京都中野区中央1-38-1 住友中野坂上ビル |
設立 | 2007 |
業種分類 | その他の製造業 |
代表者名 |
木谷 高明
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従業員数 | 590名 |
WEBサイト | http://bushiroad.com/ |
事業概要 | TCG・デジタルゲーム・MDの企画・開発・発売、マンガ・アニメの企画・制作・プロデュース業務、広告代理店業務、声優事務所の運営、音楽コンテンツ・プロレス興行の企画・制作 |