クオンタムバイオシステムズ株式会社 ~DNA解析を1000倍のスピード、100分の1のコストで実現する装置を開発中のベンチャー~

Vol.5 グローバルな組織のマネジメントと三つの指針

クオンタムバイオシステムズ株式会社 代表取締役社長兼CEO 本蔵 俊彦 (2016年1月取材)

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―グローバルな組織のマネジメントと三つの指針―

【本蔵】

私がここ数年間注力をしてきたのは、いかにその競合に勝てるような組織をつくり上げられるかということでございまして。日本では、そのDNAシーケンサーの開発経験者がいないということもありまして、もともとグローバルにそのDNAシーケンサーの開発者を雇用するということが、スピードを加速する上では必須要件になります。ただ実際グローバルに雇用しようとすると、いくつか解決しなければならない問題が出てきます。具体的に申し上げますと、2つのカテゴリに分けられると思っております。1つは、研究、大学での研究から製品開発というそのトランジションとの違いですね。もう1つは日本の研究開発のやり方とグローバルでの研究開発のやり方、そこの違いをどう乗り越えるか、この2つがその優秀な組織をつくる上での大きな課題となります。

今までの経験や分野、そのようなものが違う、つまり大学と企業というその違いと、国の違いがごちゃ混ぜになっている。様々な年代と様々な成功体験と様々な技術のエキスパートが固まり、集団になっているのです。これをやはり一つの方向性で、ワンチームとして、研究活動のスピードを高めるために、競合に勝つためにやっていくためにはいくつかの工夫をしなければならないと思っています。

実際に今我々がやっていることは3つの指針というものをいつも繰り返し言うようにしてそれを組織の中に浸透させるようにしています。

1つ目は多様性を尊重することですね。半導体の研究の仕方はプログラミングとは全く違いますし、開発期間も違えば規模も違いますし、成功の定義も全然違うわけです。ただ、お互いがどういうようなことが得意で、なぜそういう意見を持っているか、文化の違い、コミュニケーションの違い、そういうのも自分が正しいと言う前にうやはり多様性を尊重して、相手のやり方をまず尊重してみようと。それが1つです。

2番目は強調して問題解決をすること。これは得てして先ほどの多様性とも関係しますけれども、何か自分がやっていることを伝えたり、相手のことを理解しようとしたりする前に、自分ひとりでやってしまったほうが早いとこうなりがちなんですね。そうなってしまうと、例えば日本は日本だけでやる、米国は米国だけでやると、蓋を開けたら重複していたり、全く違う方向性であったり、そうならないように何か問題があった時は、チームで協調して問題解決してもらうと。何を解かなければいけないのか、どう解かなければいけないのかと、それはあなた一人の問題ではなくて、組織としてチームとしてやるんだと。

これをもう少し拡張しますと、開始の内部だけではなくて、外部を活用しましょうと。
つまり問題を解くことが大事なので、自分が解くではなくて、自分が解く人たちを集められれば、それはそれで非常に大きな貢献をしていることになるわけです。ですので、内外を問わず、協調して問題解決をする。これが2番目の方針です。

最後は透明性を担保することです。我々は会社のゴールというものがあって、そのゴールは部門間のゴールに分かれ、それが個人のゴールに分かれています。ただ前者の全員が、例えば、半導体のエンジニア、私のゴールを見ることができますし、私は半導体のエンジニアのゴールを見ることができますし。米国でも日本でも誰がどんなことがゴールになっていてやっているのかというのが全て分かるようになっていますし、全ての情報は透明ですし、全ての意思決定はフェアであるべきですし、その意思決定の過程はすべて皆に公表していくというような透明性ですね。

それはマネジメントとしての透明性でもありますし、技術者の立場での透明性もありますし、自分のやっていることは、結果があるまで見せないのではなく、全て透明にした状態で、フェアに皆から評価をもらいます。フェアにプロジェクトを進めていき、評価もする。その透明性を担保することが、3番目の指針です。

この3つどれが欠けてもさっき申し上げました、大学と企業の違いなどですとか、国の違いですとか、成功体験の違いを乗り越えて次のチームとして働くことは難しいというふうに思っております。この3つがあったとしても、問題はたくさん起きます。ただその3つを常に言うことによって、問題解決のスピードは格段に上がっているのではないかなと自分自身では思います。

社長プロフィール

President's profile
氏名 本蔵 俊彦
役職 代表取締役社長兼CEO

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