株式会社久月 ~“フレッシュさ”を徹底追求!創業180年超、老舗企業の新たな挑戦!~

Vol.4 最高の人形づくりを目指して

株式会社久月 代表取締役社長 横山 久吉郎 (2016年1月取材)

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―最高の人形づくりを目指して―

【聞き手】

時代に合わせて人形も少しずつ変わっているというか、例えば有名なデザイナーさんとコラボした商品をつくられたりされていますね。それでいうと、人形の顔自体もやはり時代に合わせて昔と比べると少しずつ変わってきているものなのですか。

【横山】

もちろん変わっていますね。そういう意味では、時代によって、美人顔が変わってくるように、人形の顔も変わってきますし、やはり色合いなり、そういうものも変わってきますね。それと同時に、コラボレーションに関しましては、「人形屋」の意識や考え方に、他の風を入れてみるということなのですね。だから新しいのかもしれないし、そうではないのかもしれない。

自分でやっていて、我々はどうしても、ある程度の井戸というか、たこつぼの中にいるわけですね。人形なので、外気に触れないのですよ。ですから、人形はこういうふうにつくっていればいいのだと考えるのですね。他のものや、世の中の流れ、そういうものに関しては無頓着。今までの歴史の中で「先代がこうつくってきたから、自分もこうつくる」、あるいは「父がこうつくったから自分もこうつくる」。そのパターンを変えないと。それは、良い意味でも悪い意味でも。ただそういうものをよそから持ってくると、その中で新しい何か、良いものが取り入れられるのではないかということはあると思うのですね。ですから、そういう意味で、いままでの考え方を少し壊してみる。それで新しいものを入れていってみる。これはいわゆるテストかもしれない。けれどもそれをやることで、それ自体が失敗しても、次に残る何かしらの違うものが、変化として出てくるのではなかろうかと思いますよね。

【聞き手】

これからも何となく時代に合わせたような人形をつくられる。

【横山】

時代に合うかどうかは分からないですけれども。時代に合っていると思いながら合ってないかもしれないし。人形というもの自体が、本当に世の中の流れについていけているかどうかも分からない。ただ私としては、人形は基本的に良いものでなければいけないと思っています。人形というものは飾るものですから。使うものではないですから、使い勝手が良いとか、こういう効用があるというものではありません。ということは絵と同じように、やはり見て心を和ませるとか、見て「良いな」と思わせるものでなければならないと思っています。それを、どう追求していくかの話なのですよ。ですから全てを今までの伝統の色、そのままの色で、先人からそうやったものだけでやっていくと、だんだんとその時の美しさ、その時のものから外れてくるのですよ、本当に。

最初は本当に良いものをつくろうとしたと思うのです。ところがそれをまねなり継続していくと、本当に良いものかどうかが分からなくなってくる。例えば色にしたって、多少微妙に変わってくる。最初につくった時は、ぴしっとした合い方をしたかもしれないけれども、それが3年、5年経ったらどうなるのかと。本当に同じ色が出ているのかどうか。そうなると、やはり良くはならないのです。悪くなることはあっても良くはならない。それを他のものを入れることで、「良いな」と思わせるものをつくっていく。そのために自分たちだけではなくて、他からの空気を入れて常に我々が新しくフレッシュになって、「こういうものも良いな」と思わせるものをつくっていくしかないのですよ。我々は本当に、この人形にどんな効用があってというものは全くつくれないわけですから。それよりも、今の皆さんにどうやって感動を与えられるような良いものをつくるか、そのために我々は何をしたらいいか。それは改革でも何でもなくて、日々考えて、やっていかなければならないのです。ですから、そういう方法として取り入れているだけの話です。全然改革というものではないと思うのですけどね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 横山 久吉郎
役職 代表取締役社長
生年月日 1948/7/31

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