Vol.4 初の自社ブランド製品の誕生
―初の自社ブランド製品の誕生―
【聞き手】
そのできあがった最初の医療機器というのが、糖尿病の検査用の機械。
【松本】
ええ。試験体で採血したキャップを取らないで、ピアッシングしてやる、それがヒットしました。1日8万検体を同時に患者さんの血液を集めて、それをまた病院に検査結果を出す。3年後に他社の抗原抗体反応で測定する装置の特許が切れるので、そのマーケットに新しい試薬と機械をセットで共同開発して3年後に世に出そうと。相手は全血で試薬を測定できるもの、うちはこのコンパクトなものを開発する。 共同開発でスタートしたのです。
ところが、2年経ってもできないのですよ。全然性能がでない。検査センターですから、採血したものをセンターに送って、1週間後に結果が出て、患者さんに伝える。だから、原料だけでいいから、お前のところで試薬もやるかと言われて、やるのであれば1人開発者を出席させるよと言われました。社員に話すと、化学を知っている人が誰もいないわけですよ。メカや電子やソフトの人間はいますけれど、化学はいないので、みんなそれは難しいからやめましょうと、全員反対しました。
しかし私は「だめだ、やるんだ」と、全員反対だったんですがやろう、と言いました。やり出したら、別々の会社で試薬と機械だと、試薬が悪い、機械が悪いと、ケンカになるのです。でも一緒になると、一気に開発が加速して、2年ぐらいかかりましたが、合計5年かけて、2009年に初の自社ブランドが出せました。それが『A1cGEAR』といいます。
経営者プロフィール
氏名 | 松本 弘一 |
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役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
社名 | 株式会社サカエ |
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本社所在地 | 東京都港区新橋1-11-4 三栄ビル |
設立 | 1952 |
業種分類 | 機械器具製造業 |
代表者名 |
松本 弘一
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従業員数 | 150 名 |
WEBサイト | http://www.sakaecorp.com/ |
事業概要 | ヒーター機器事業、医用・科学機器事業 |