株式会社サカエ 世界最高水準のセキュリティレベルを実現したシュレッダーなどを自社開発 株式会社サカエ 代表取締役社長 松本 弘一  (2015年12月取材)

Vol.5 Shred Gear開発秘話と製品へのこだわり

インタビュー内容

ー『Shred Gear』開発秘話と製品へのこだわりー

【聞き手】

色々なものをつくる技術開発に取り組んでおられるわけですけれども、今お話をいただいたように、御社の自社ブランドである、こういった糖尿病の検査機もそうですし、先ほどから後ろに重厚に構えていますが、御社の代表的なものでありますシュレッダー、これも今やペンタゴンなどすごいところで使われておりますよね。

【松本】

OEM時代にすでにそういうところで使っていただいていて、今は自社ブランドにしています。アメリカの国防省の基準の幅が1ミリ×5ミリなのですが。世界一のものをつくろうと、国防省基準の半分の面積のシュレッダーをつくろうと。それがこれです。

【聞き手】

この『Shred Gear』という商品ですね。

【松本】

アメリカの基準が1ミリ×5ミリですが、これがそれの2分の1ですけども、これだと文字とか読めて、マイナンバーなど1,2枚合わせたら読み取れてしまいます。ガイドラインでは、必要がなくなれば速やかに復元できないレベルで破棄しますと、溶解かマスキングか、またはシュレッダーでと書いてあるのです。

じゃあ復元できないレベルとはどういうことなのだろうと、文字が読み取れてつなぎ合わせられるのであれば、悪意があればこのゴミ箱に紙を置いておいて、切ったのを切り終わったら、また開けて持っていって、パズルのように並べればね。

【聞き手】

根気よくやれば元に復元できてしまうことがありますよね。

【松本】

できてしまうのです。お前のところでは復元できるではないかと、ガイドラインに沿ってないよと、そういうことが事件とか事故になりかねないじゃないですか。それだったら本当に世界のグローバルな規格で、ドイツの規格が一番使われているのですが、ドイツの規格では、セキュリティレベル5までは、復元できると明記されているのです。6,7であれば今の科学技術では復元できないと書いてあるのです。ということは、内閣府のガイドラインをきちっと当てはまるものがこのレベルだなと、国はそういうことは具体的に言わないというので、我々が市場にそういったことを広報活動して、事件事故が起きてからシュレッターを売るのはなくて、事件事故が起きないうちに、お客様にPRして、紙の安心を勝ち取ってもらうためにこのシュレッダーを販売していきましょうと。うちの営業マンはエバンジェリスト、伝道師だと。新しい市場、新しい文化をつくろうと今やっています。

【聞き手】

こういうアイデアや、新しくこういうことをやったらいいじゃないかと考え付くのは、社長ですか? それとも社員の方々からこういうふうにやりたいと上がってくることもあるのですか?

【松本】

医療機であれば、DMジャックというOEMのビジネスをやっている開発の連中が、どういうデザインで、どういうふうにやろうかと、よそはこうだからうちはこうやろうと、みんなが考えるわけです。私が考えることは、市場の声を聞いて、開発するメンバーに伝えるぐらいです。

日本人というのは細かいじゃないですか。糖尿病予備軍だと、例えば数字が、6.0%とか、6.4%だと予備軍ぎりぎりなのですよね。検査で分かって、お医者さんから、朝の食事はこうして、歩くのはこうして、1ヶ月くらいやってみて下さいよと。それで、一生懸命やるじゃないですか。1ヶ月後にA1Cを測るじゃないですか、6.4が6.3になっていたら、下がってよかったと思いますよね。だけど精度が悪ければ、6.3が出なければいけないのに前回と同じ6.4になってしまったら、がっくりくるじゃないですか。ですから、我々は精度のいいものをつくらなくてはいけない。


経営者プロフィール

氏名 松本 弘一
役職 代表取締役社長

会社概要

社名 株式会社サカエ
本社所在地 東京都港区新橋1-11-4 三栄ビル
設立 1952
業種分類 機械器具製造業
代表者名 松本 弘一
従業員数 150 名
WEBサイト http://www.sakaecorp.com/
事業概要 ヒーター機器事業、医用・科学機器事業
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