株式会社金冠堂 ~『キンカン』は世界に通用するか。老舗企業の未来への一手~

Vol.4 『キンカン』が90年以上愛され続ける理由

株式会社金冠堂 代表取締役社長 山﨑 充 (2016年4月取材)

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-『キンカン』が90年以上愛され続ける理由-

【山﨑】

先々代の創業者・山崎栄二は『キンカン』を開発し、それを体を張って売りました。先ほど述べたように、当時は火傷治療の効用・効果が中心でした。しかし、現在はやけどの効用はうたっていません。なぜかというと、当時の厚生省、現在の厚生労働省の指導です。

厚生省の指導では、やけどには度数もあり、素人判断では薬品が提供できないというものです。実際には、皮がめくれる前、水ぶくれの段階であるⅡ度には、『キンカン』はものすごく効きます。 皮膚の表面温度を3〜4度いっぺんに下げる作用があるからですが、その先、皮膚がやぶれた状態になると、今度は皮膚に対して刺激が強すぎることになるため、効用に入れられなくなったというわけです。もっとも、その当時も、祖父は代理店の社長さんを旅館に集めて、発表会と評して、熱湯を手にかけてですね。『キンカン』をハケで塗って、「次の日はこの通りなんともないです」っていうパフォーマンスをやっていたそうです。実際に見たことはありませんが、小さい頃、祖父とお風呂に入ると、手はやけどの痕だらけでしたから。

先代の山﨑寅社長(現会長)は、パッケージをワンタッチの丸瓶に変える一方、守ることに徹して、事業を軌道に乗せました。中でも、テレビCMへの思い入れは強かったようです。自分で企画を立てたり、そういうことをやりながら、ずっと業績を伸ばしてきました。もちろん、時代がバブルに向かっていたという面もあるとは思いますが、私の代になってからは、少子高齢化の時代に入り、ここから業績を飛躍的に伸ばすのは難しいと思います。そもそも、1つの商品が90年も続いているのが不思議ですから。とはいえ、私の時代は世界が近いですよね。

昔と違って、飛行機で遠い国に行くのも簡単です。インターネットで航空チケットもホテルも取れる。迎えの車も呼べるし、通訳も付けられます。つまり、世界がすごく近くなった。当然、日本人が出ていくだけでなく、海外からも人が来るので、そこに向かって『キンカン』で何ができるかというのが、私の挑戦ですよね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 山﨑 充
役職 代表取締役社長

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