iHeart Japan株式会社 ~iPS細胞を活用した心臓の再生医療に取り組む京都大学発のバイオベンチャー~

Vol.2 経営者を志したきっかけと経営者への道のり

iHeart Japan株式会社 代表取締役 角田 健治 (2016年6月取材)

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-経営者を志したきっかけと経営者への道のり-

【角田】

環境も良かったし、仕事も面白かったし、それ自体は良かったのですが、当時の私の方が組織人として未熟だったのです。会社というものがどういうもので、組織というのがどういう指揮命令で動いていて、それぞれの人たちがどういう役割を担うことによって成り立っているのかというあたりが、当時の私はよく分かっていなくて、大学にいるのと同じような感覚で企業に入ってしまっているから、それでは全然だめなのです。それで、あまり良いパフォーマンスを上げられなかったのです。そういったことからして、私はちょっとこのままでは駄目だと思って、キャリアを変更することを考えました。

【聞き手】

そのときにやりたいこととか目指したいものが、ご自身の中にはお有りだったんですか?

【角田】

そのときに、普通の人が就職活動中に考えることを初めてまともに考えたんです。自分はどんな人生を歩みたいのか、どんなキャリアを築きたいのかということを真面目に考えたんです。そのときに、それまでの自分の人生の棚下ろしをやって、自分のやりたいこととできることと、すべきことが重なったところをやればいいと、そんなことをP&Gで教えますけど、その通りだなと思います。自分は何がやりたいのか、何を得意としているのかということを考えていったときに、経営者というのがきっと自分にとってはいいんじゃないかと、自分が一番輝ける職業だろうと思ったわけです。若造らしいおこがましい考えなのですが。

当時そんなふうに思って、じゃあ経営者になるために必要なことはなんなのかと、そのときに初めて真剣に考えました。よく考えたら当時の自分は、財務諸表も読めないし、営業経験もないし、法律もよく分かってないし、色々なものが足りませんでした。こんな何にも知らない若造が、とても経営者になれるはずがないのです。

当時26歳でしたけど、26歳でそんなことを思って。そういった能力を身につけるためにはどうしたらいいか、色々考えたんですけど、結局「習うより慣れろ」という発想でした。実地訓練ができるところにいきたいと考えたときに、ふと目にとまったのが、ベンチャーキャピタルだったんです。それでベンチャーキャピタルにいこうと思って、転職したんですけど、行ってみたらこの仕事が面白くて、結局8年もやってしまいました。

自分の投資先のベンチャー企業が難局をむかえたことも当然ありました。そういうときに追加の資金を投資してもうちょっと粘ってみるか、潔く諦めて撤退するか、そんな判断が必要なんです。投資家側にも、そういった会社をやっている人たちはなかなか諦められないのです。自分自身がやっているのですから。だけどそこで、こんなことをやっていてもしょうがないと、1回清算してやりなおした方がいいこともある。でもなかなか当の本人にはその決断ができないので、投資家の方から引導を渡すというのをやってあげるというのも必要なときがあります。

【聞き手】

シビアな局面というのもたくさんご覧になっている中で、それでもやっぱり経営がやりたいというふうに思われたんですよね?

【角田】

それは、いろいろな想いが錯綜しています。1つは元々経営者にいつかはなろうと思っていましたが、もう1つは、ベンチャーキャピタルって、本来は自分自身がベンチャー企業をやって成功して、成功した人が後輩の起業家に対して投資していくというものだと思うんです。特にアメリカでベンチャーキャピタルが生まれた当初はそうだったらしいのですが、そういうオリジンを持っているベンチャーキャピタルという業界において、自分で起業したことがないという状態で、起業家に対して意見を申すというのはおこがましいです。本当に。

経営している社長さんは素晴らしいんですよ。そこに若造が自分でやったこともないくせに株主だからといって意見を言うんです。社外取締役で入っていましたけど、なんかこれはいまいちだなという違和感はありました。自分でやったことがないと本物のベンチャーキャピタリストにはなれないなというような思いはずっとくすぶっていました。そんなこともあって、さらにチャンスがめぐってきて、たまたま起業のきっかけになるようなことが起こって、それがそろってやろうかという感じになったんです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 角田 健治
役職 代表取締役

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