スターティア株式会社 「役に立ってなんぼ」オフィスのITを支える企業の顧客ニーズのつかみ方 スターティア株式会社 元代表取締役社長 兼 最高経営責任者 本郷 秀之  (2016年9月取材)

Vol.5 アジアNo1への挑戦に必要なこと

インタビュー内容

―アジアNo1への挑戦に必要なこと―

【本郷】

採用はものすごくこだわりがあります。今から4年ぐらい前に数十人以上の新卒職を採用しました。うちは新卒採用が中心です。もちろん中途採用もしているのですが、中途に関しては即戦力という位置づけで、外から新しい風を持ってきてもらう。そして、我々にないノウハウを社内に提供してもらって、融合させていくという意味で、中途がすごく大事なのです。新卒採用は多分、うちの会社が業界に先駆けて、我々の業界の中ではあまり新卒採用をしているところがなかったので、うちの会社が多分はしりだと思います。うちがやりだしてから数年たってから、よそも新卒採用をするようになりました。まずは、新卒がいい、中途がいいということはなくて、新卒も中途も大事な戦力であることには代わりはないのですが、求めているものが違うということです。

新卒というのは、毎年企業文化を踏襲していってもらわなければいけません。中途ばかりをやっていても、企業文化は根付かないのです。うちの会社はこうだよみたいなものは、もちろん中途もある一定の、5年や10年たって非常になじんでくれて、僕や創業のメンバーと懇意にしていて、そういう話などを聞いていれば、そういう時代もあったということで、そういうのを話してくれる人もいるかもしれませんが、うちはこうやってきたんだよということはなかなか体験していないとだめです。それから、よその会社を経験していない人間は、やはり一番インパクトが強くて、愛社精神も根付きやすい傾向にあるというのは間違いないと思うのです。

そういう意味でいくと、どんなに業績が悪くても、ある一定の新卒社員は採ってきました。もちろん中途も採っていくし、これら新卒社員も採っていくのですが、どんなに業績が悪かろうと、新卒は毎年必ず採ります。どんなに業績が悪くても、今までもずっと採ってきました。これがすごい大事なことです。これは企業文化をつくっていく上で大事だということです。それから、もう1つは、採用するにあたって、基本的にはほぼ100%僕が説明会で話をしています。

これはどういうことかというと、社長の話を聞いて合わないなと思ったら、その会社に入ってきてはだめですよね。これが1つです。それから、僕がしゃべっていたら、「このおっさん面白そうだな、ちょっとスターティアに入ってみようかな」という方が、人事の責任者が話したことで「面白くなさそうだからよその会社に行こう」というのをなくさなければいけない。だから、社長が話すのが一番早いと思うのです。会社のことは想いも含めて会社をつくった人間しか語れないですよ。ですから、僕の話を聞いて辞退するのだったら、もう来なくていい。もうそれはしょうがないということです。そういう考え方にこだわりを持っているということです。

評価に関しては、今まではどちらかというと歩合を高めに設定して、営業マンは稼げるということをやっていたのですが、これは最近少し違うのではないかと思いました。つまり、みんなで良くならないと意味がないわけであって、みんながたくさん稼げるようにするために、生産性を高めていって、効率性を高めていってもらって、1人当たりの売り上げ、粗利、営業利益、この辺りをアップさせて、業界以上に高い給料を払って、しかも業界以上に一部上場、あるいはITの一部上場企業以上に有給が消化できる会社にしていこう、と。

それにふさわしい人事制度とは何だろうということで、ちょうど今年の4月から切り替えました。これからはその人事制度に基づいて、この会社で働いてよかったなと思ってもらえるような会社、つまり、名実ともに一部上場企業としてふさわしい福利厚生なり給与なりやりがいなりというようなことができるような評価制度に変えているつもりです。

今年、実は面白い取り組みを1つやっているのです。それは何かというと、麻雀採用として「内定をツモれ」というキャッチフレーズでやっています。なぜこういう取り組みをやっているかというと、一部上場に上がってから、あるいはマザーズに上がってから、そこそこ小利口な人たちばかりが来るようになりました。我々はこれからグローバル企業になっていきたいと思っています。特に、アジアにおいては、ここ5年、10年で長期の大きい目標としてアジアNO.1のITのサービスをつくりたいと思っています。海外の人材も当たり前のように採っていかないと。日本一のサービスをつくろうと思っている会社ではないのです。アジアNO.1のサービスをつくろうと思っているのです。

そういうことでいくと、小利口な人ももちろん大事です。それから、体育会系の人も大事です。だけれども、とっぽいやつ、あるいは英語が話せる、あるいは言語は話せないけど、ともかくインドネシアに行ってなんとか手振り身振りでインドネシア語を勉強してなんとかするんだという人。つまり、アジアNO.1のサービスだとかグローバルな企業になっていくための人のポートフォリオというのを変えていかないといけない時代にきているのです。小利口なやつは6割とか。とても頭がいいけどちょっと変なやつ。だけど、プログラムを書かせたらすごいというやつが1割とか。

外国に行って目隠しして、昔そういう番組がありましたが、ある日突然ここで100ドルで2か月間暮らしてみろと言われたときに、白旗を上げてしまうやつと何か現地に溶け込んでしまって生き延びるような強い生命力を持っている人がいますよね。そういうことも必要だろうと思います。あるいは、将来は起業をしてみたいとか、グループ会社で新規事業を立案して、自分で社長をやってみたいとか、そういうやつのポートフォリオの多様性をもって採用していかなければいけないというのが課題であり、そういう人たちに来てもらいたい。

アジアNO.1のサービスをつくったり、グローバル化していくというのは、長期にわたって、これから日本は人口が減っていきますしGDPも減っていくと思いますから、そういった意味では必然なのです。僕の代で、次の10年でこれをやりたいと思います。そういった意味では、激動の10年になると思いますから、すごくやりがいもポストもチャンスもあると思います。ともかく若い頃の苦労は買ってでもしろと、私はいまだにそう思っています。そういった意味では、とっぽいやつとか、海千山千の若手などにぜひ来てもらいたいと思います。


経営者プロフィール

氏名 本郷 秀之
役職 元代表取締役社長 兼 最高経営責任者
生年月日 1966年5月1日

会社概要

社名 スターティア株式会社
本社所在地 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス19階
設立 1996
業種分類 情報通信業
代表者名 本郷 秀之
従業員数 474名(2024年3月末時点)
WEBサイト https://www.startia.co.jp/
事業概要 システムインテグレーション・セキュリティ対策、通信システム機器販売・設計・施工・保守メンテナンス、OA機器販売・設計・施工・保守メンテナンス、Webサイトの企画・制作、Web集客のコンサルティング、電力小売、LED照明、空調機器、空気清浄機、電子ブレーカーの販売
社長動画一覧に戻る
この社長に応援メッセージを送る
この社長に直接提案
会員限定
あなたのビジネスに活かせる特典を無料でご利用いただけます
社長名鑑では、会員登録していただいた方のみにご利用いただける特典を多数ご用意しています。
会員特典の詳細を見る