Vol.4 ニーズを突き詰める
―ニーズを突き詰める―
【本郷】
厳密に言うと、やはりアンテナを張っているからです。例えば、定期的にシリコンバレーに行ったり、アジアに行ったり、我々が今やっていますが、CVCというのを2年前に立ち上げました。コーポレートベンチャーキャピタルです。お客さんのニーズの中で出てくるものと、出てこないものがあるのです。ニーズとしてはあったら便利だなとか、こういうことを1社でやってもらったらいいなという小手先だけの、ある程度、マイナーチェンジだったらお客さんのニーズで十分なのです。
ですが、お客さんがまだ気づいていないニーズということでいくと、少し先にいっている国や、あるいは先にいっている業界が、今度はこっちの業界にも入ってくるのではないかとか、色々な他の業界、あるいは他の国、いろいろなところの情報を収集して、これがもし我々の業界でこういうふうになったとしたならば、これは絶対にニーズがあるよね、と。これは爆発的に売れるのではないかとか、スタンダードが取れるのではないかというようなものを、いつも見るようにしていますし、情報を集めることに対してはものすごく時間と労力を割いています。
電子ブックを始めるきっかけも、当時、電子ブックというものがあったか、なかったかというと、結論でいうとあったのです。あったのですが、ソフトウェアの会社が100ページの本をつくりたいということを言ったときに、基本料金として30万円をください、プラス1枚あたり4,000円ください、という感じだったのです。ですから、ちょっとした文面を変えるときにも、いちいちそのソフトの会社に頼まなければいけなくて、数万円を取られていたのです。
ところが、アメリカでは既に電子ブックみたいなものは多少存在していて、単純にめくる感覚やそういったものぐらいはあって、そこに動画を貼り付けるとか色々なこともできていたのです。それを少し見て、びっくりしました。これは間違いなく将来的には、絶対にこの時代が来る。ムーアの法則というのがあって、集積回路の話ですが、半年間で2倍になって値段は2分の1になるとか、色々なことが言われているのですが、これと同じで、パソコンの機能もブラウザの機能もCPUもメモリもハードディスクも全て集積回路と見立てたときに、かなりなところでスピードがアップしていく。
インターネットの接続スピードもアップしていくということを考えていくと、時間の問題だったのです。では、30万プラス1ページあたり4,000円や5,000円ということでやっていても普及しない。これは何かできないかということで考えて、つくり放題で何十万ページつくろうが、何百万ページつくろうがつくれて、なおかつPDFだったらPDFごとの検索ができるけど、PDFごとで横串検索はできないのです。これを10万倍で横串検索ができて、縮小拡大ができて、動画が貼り付けられて、つくり放題で、もしパソコンの操作ぐらいができる人だったら簡単に文言がつくり替えられるぐらいで、手離れのいいソフトウェアがパッケージであったとしたならば、売れるか。結論は、売れるだろう、となり、やろう、となりました。
しかも、これは紙がなくなる話ですから、地球に優しい、森林伐採の削減としても正しいからやろうよ、という発想です。多分、うちがこの業界を変えたと思います。3,000社以上に導入をいただいていて、うちの電子ブック制作ソフト『ActiBook』を使って書籍化されている本はネット上に無数にあると思います。やはりITを通して、世の中にイノベーションを起こしていきたいなというのが僕らの文化の中に文言としても理念の中に、あるいはその下のミッションの中に入っているものですから、そういうのというのは少しずつ根付いてきているのかなという感じはします。
経営者プロフィール
氏名 | 本郷 秀之 |
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役職 | 元代表取締役社長 兼 最高経営責任者 |
生年月日 | 1966年5月1日 |
会社概要
社名 | スターティア株式会社 |
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本社所在地 | 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス19階 |
設立 | 1996 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
本郷 秀之
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従業員数 | 474名(2024年3月末時点) |
WEBサイト | https://www.startia.co.jp/ |
事業概要 | システムインテグレーション・セキュリティ対策、通信システム機器販売・設計・施工・保守メンテナンス、OA機器販売・設計・施工・保守メンテナンス、Webサイトの企画・制作、Web集客のコンサルティング、電力小売、LED照明、空調機器、空気清浄機、電子ブレーカーの販売 |