Vol.4 人材育成には「想定外」を経験させよ
―人材育成には「想定外」を経験させよ―
【聞き手】
実際御社の中の事業は、セキュリティ以外にも力を入れてらっしゃることがあると思いますが、いかがですか?
【髙梨】
そうですね。当社はセキュリティ会社と思われがちですが、ベースはシステム開発です。このSIの部分があり、これが土台となってそこにセキュリティ(事業)が乗っていると考えていただければと思います。セキュリティが注目されていますが、もちろんそれは必須ではありますが、お客様、または世の中から見ればセキュリティがあっても何も動きません。システムが全体で完結してないとならないのです。当社はそういう体制を持っているところが強みだと思っています。
特に金融系のインフラ系を扱っている部隊が結構多いので、インフラ部分の中にきちっとしたセキュリティのエッセンスを入れて、トータルでシステムを提供できるというのが本当の特色です。段々とそういう流れになってきて、結局トータルで安心して動くものでなければという時代に、徐々に入ってきました。そういう面ではこれから面白みが出てくるとは思っています。
【聞き手】
新しいビジネスの“種”というか、考え方というのは若い方の意見もどんどん取り入れてつくってらっしゃるのでしょうか?
【髙梨】
これは今、うちわで扇いでいるところです。遠慮しないで挙げてきなさいと。若い子たちは、こういう仕組みがあったら挙げられますと言います。しかし、仕組みがあったら動きますということで成功した事例はあまりないですね。やはりこういうものが必要ですという熱があって、向かってきて、寝ずになるくらいの人間が出てきたら、これは面白いですよね。今うちわで扇いでいます。
【聞き手】
これが御社の中で社長がよく社員の方におっしゃっている「チャンスをつくってチャレンジをして、そして変化を」ということですね。
【髙梨】
そうです。失敗を恐れる必要はないのです。世の中整理されると、何でもかんでも品ぞろえがあって、それで動く(ということになりがちです)。極論を言えば、できて当然だと。品揃えがない、要はもともとつくったストーリーや計画通りにいかないギャップを経験することがノウハウなのです。
残念ながら今の人は色々なものが、全てが取れてしまいます。これは変えられないですよね。インターネットが世の中を変えてしまい、今は極論を言えば世界を変えましたよね。知らなければ幸せだった国が、知ってしまったがために幸せではなくなるケースもあります。弊害もありますが、この流れは変わりません。ですので、出来上がったものだけでやるのではなく、不足していたり想定外のことを経験させたりすることが、人が育つということだと思います。
【聞き手】
セキュリティの技術に関してましては、世界的に注目もされ、2015年には大きな賞も受賞されていらっしゃいます。
【髙梨】
そうですね。去年と今年ですね。
【聞き手】
やはり技術が認められるというのは、早くからこういったセキュリティといったところに注目して技術を高めていかれた結果でしょうか。
【髙梨】
やはり泥臭いところを地道にずっとやってきたということではないでしょうか。表面だけではなく、深いところまで一生懸命やってきたということだと思います。ですので、国の仕事も、今でこそ言えますが、警察関係などもかなり前から地味にやってきています。ですので、商売よりもそういったところを結構やってきたというのを見てくれているのかもしれません。
経営者プロフィール
氏名 | 髙梨 輝彦 |
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役職 | 取締役会長 |
会社概要
社名 | 株式会社ラック |
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本社所在地 | 東京都千代田区平河町2丁目16番1号 平河町森タワー |
設立 | 2007 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
髙梨 輝彦
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従業員数 | 2,192名 |
WEBサイト | https://www.lac.co.jp/ |
事業概要 | セキュリティソリューションサービス システムインテグレーションサービス 情報システム関連商品の販売およびサービス |