Vol.1 勉強することをやめた日
―勉強することをやめた日―
【小山】
小学校の時は毎日勉強させられていました。日曜日にはテストがあって、その試験の結果が悪いと、こんなドリルを積まれて、全部日にちまで書かれて勉強させられていたんです。テストの点が悪いと「小山宗一郎とは何だ」と父に聞かれるんです。「人の10倍努力して最後には絶対勝つ」と、これを大きい声で10回言わせられました。小学校5年までは結構友達とも遊んでいましたが、5年になったら急に塾が始まり、友達とも遊べない毎日に変わってきました。
小学校5年生のときに母がそれをずっと見ていて、すごいかわいそうだということで、1歳下の弟と一緒に映画に行こうと、映画に連れて行ってもらったんです。その映画が、そこから人生が変わっていったというくらいの映画だったんです。その映画は『ビーバップハイスクール』だったんですが、もうその日の映画観終わってからは僕と弟の髪の毛は立っていて、そり込みも小学校5年生の時に入れて、そこから勉強も受験もしないという形になっていきました。
中学を出て、友達はみんな高校に行くんですが、僕や僕の友達は高校に行かないのでやることがないんです。お金もありませんでしたし。「じゃあ、ちょっと仕事でもやろうか」と思って、友達と『フロムエー』という雑誌を見て探しました。でも仕事なんかしたことありませんでしたし、営業も嫌だし、スーツも着たくない。人に頭下げるのは嫌だと。そんなふうに思ったら現場の仕事しかなかったんです。それでずっと現場の仕事を中心に探していたら、「荷揚げ・日給7000円で日払い可・登録制」と書いてあったんです。まずこれをやってみようということで出合ったのが建設業界との出合いなんです。16歳の時でした。
友達は1日で辞めましたけど、僕は結構真面目なタイプなので、その現場の中でも気合入れて1番運んでいました。そしたら色々な大工さん、塗装屋さん、鳶、石屋さん、タイル屋さん、左官屋さん、色々なところから「うちに来たら8000円だよ」とか、「うちに来たら1万円払うよ」と毎日のようにスカウトされていました。そんな中で左官屋さんが見習いで「1万3000円くれる」と言ったんです。7000円からすると倍でしたので、やろうと思いました。僕は左官という言葉も知らなかったし、左官というのはどんな仕事をするのかも知らなかったんですが、とにかく1万3000円を1日で稼げるということで入りました。
でも、その仕事に就いてからは結構生意気で、先輩たちに負けたくないという思いから、休み時間が自分の練習の時間だということでとにかく塗る練習を休み時間にひたすらして、1人ずつ先輩と勝負をしていきました。それで1人ずつ抜いていくんです。それが17、18、19と。それで1人ずつ抜いていって、どんどん天狗になっていきました。「自分はそろそろこれだけ仕事できるから給料上げてください」とかいう形でどんどんいきました。その後、会社も変わって、自分のできない仕事も「俺はこれだけできるからいくらください」という話をするようになっていって、そこに入って、少しずつ自分で値段も釣り上げていくようになりました。すごく簡単だと思ったんです。だったら自分で会社つくってしまえということで、22歳の時にメガステップという会社をつくりました。
経営者プロフィール
氏名 | 小山 宗一郎 |
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役職 | 代表取締役 |
会社概要
社名 | 株式会社メガステップ |
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本社所在地 | 東京都品川区西五反田7-12-6 |
設立 | 2001 |
業種分類 | 建設業 |
代表者名 |
小山 宗一郎
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従業員数 | 95名 |
WEBサイト | http://www.megastep.co.jp/ |
事業概要 | 左官・防水工事を中心とした多能工事業、別荘の建築 / リノベーション、貸別荘の運営、グランピングキャビンの製造、販売、研修事業、建設業IT化推進事業、YouTube配信 |