Vol.4 次世代に繋がる 職人の意識改革
―次世代に繋がる 職人の意識改革 ―
【小山】
色々な関わり方があるんですが、まず建設職人(甲子園に)、(参加した)企業は第1回が309、第2回が450いくつだったんですが、建設職人(甲子園)の予選があって、予選に勝ち抜いた人たちが、第2回は7地区全国で、東京、埼玉、千葉、神奈川、栃木、あと大阪、九州という形で地区があったんですけど、そこで勝ち上がった7企業が最後、2企業になって、幕張メッセで決勝戦をやったんです。
職人というのは口下手人見知りで、人前でしゃべるなんて絶対に嫌なんです。第1回の時に気付いたんですけど、壇上で本気のプレゼンテーションをするというので、若い職人たちが本当に嫌がるんですよ。だけど、最後「俺、行きます」と行くんです。めちゃくちゃ格好いいんですけど、その途中にはスイッチが入るポイントがだいたいみんなあります。それは、自分が壇上に上がることで、誰かの心に火がつくのなら「俺、行きます」なのです。自分が壇上に立つことによって、この業界が少しでも前に進めるんだったら「俺、行きます」なんですよ。だから、自分のためでも、自分のいる会社のためでもスイッチが入らなかったのに、若い子たちみんな、「自分がそこに行くことによって、この業界が、誰かのためになるんだったら行きます」と行くんです。めちゃくちゃすごいなと思いました。
第1回大会はプレゼンテーションの会だったんですけど、第2回は今度、子どもたちが職人体験をして楽しめるコーナーをつくろうと、そういうコーナーも設けたんです。あとは、甲子園の歌をつくってもらって、当日来て歌ってもらったりもしました。そういうのも入れながら飲食ブースもやったり、あとは職人さんたちで縁日ブースをやったりして、子どもたちも500人くらい来てくれました。そして、またそこで気づきがあったんです。職人さんたちには、「そういう体験会をやるからブースを出して」と言って、無理やり連れていっていたんです。しかし、子どもたちの行列ができて、中には楽しいと言って、1回体験してまた並んで、何回も来てくれる(子どもの様子)を見て、職人さんたちもすごい楽しめたんです。
普段、お客さんからもそういう言葉をかけられませんし、自分のやっている仕事を知ってもらえて、かけられた言葉だったり、自分の仕事を自分の家族に見てもらったり体験してもらって、感じたことだったり。そういうところにすごい学びがありました。これは働き甲斐、やり甲斐に繋がります。こういうことをもっと起こしていこうということと、もう1つは、職人さんが、あの仮囲いの中でどんな仕事をしているのかわかりませんよね。
ドラマに出てくる職人は、どこかでリストラか何かされて、家族に言えず、それで重たいものを運んで1万円をもらうというような、辛いイメージが世の中にはあります。でも、そういったことばかりではなくて、本当に楽しい、やり甲斐のある仕事だということでやっている人たちもすごくいっぱいいるので、それを発信していこうと。もっと知られてない業種の仕事も、そうやって創意工夫することによって発信できる、子どもたちが楽しめるイベント、ブースをつくっていけるんだと。そういうところも競っていけば、キッザニアやディズニーランドではないですが、体験できるような発信できるような場所もつくっていけるなということに、今回第2回大会で体験ブースをやったことによって少し気づけたことがありました。
だから第3回大会には、今度そういうところも盛り込んで、職人が学ぶ場、成長できる場、1歩前に行く場や、あとはさっきの若い子たちが立ち上がっていく姿は一緒にいる周りの人たちにもすごく刺激になるので、そういうプレゼンテーションの大会と、子どもたちの体験会の場や、もっと技術を発信できる場をやっていけたらいいなと思っています。
経営者プロフィール
氏名 | 小山 宗一郎 |
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役職 | 代表取締役 |
会社概要
社名 | 株式会社メガステップ |
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本社所在地 | 東京都品川区西五反田7-12-6 |
設立 | 2001 |
業種分類 | 建設業 |
代表者名 |
小山 宗一郎
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従業員数 | 95名 |
WEBサイト | http://www.megastep.co.jp/ |
事業概要 | 左官・防水工事を中心とした多能工事業、別荘の建築 / リノベーション、貸別荘の運営、グランピングキャビンの製造、販売、研修事業、建設業IT化推進事業、YouTube配信 |