株式会社サンマーク出版 ~縮小する出版市場でヒット作品連発!サンマーク出版式ヒット創出術~

Vol.2 良い仕事をするための考え方

株式会社サンマーク出版 代表取締役社長 植木 宣隆 (2017年4月取材)

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―良い仕事をするための考え方―

【植木】

就職活動もそれほど真面目にやった口ではないんです。もともとは大学に残ろうかなと思っていたんです。しかしやはり哲学を志して学者になるような人は、ろくに遊びもせず、朝昼晩バタートーストでヘーゲルの現象をずっと読んでいて、栄養失調で病院に救急車で運ばれてしまうという、そんな人がいますから、これはダメだと。少し(自分には哲学者は)向かないかなということで、やはり就職でもしようかと思ったのが、4年生の半ばあたりです。意識が低いという点では、絵になるほど意識が低かったですね。

潮文社という小さな出版社があり、それでも300倍と大変な倍率でした。そこにたまたま受かりまして。編集者としての採用で、小さな出版社だったので社長に直接ついて、色々なことを教わりました。原稿整理からタイトルから広告の原稿から、様々なことを直接教わりました。非常にエキセントリックな社長だったのものですからかなり苦労しましたし、実際そこで編集者として直接的に社長と一緒にする仕事が多いので、耐えられなくなって辞める人がたくさんいましたし、今も色々な出版社に散らばっておられるという感じです。多少はそういう苦労をしてきたことがプラスに働いたのか知りませんが、割とそういう部分でのストレス耐性はあるのかもしれません。

私は2年いたのですが、編集部で2年というのは結構最長不倒距離に近い年数でした。その時に、前年に入った2人の編集者を引き連れて辞めてしまったんです。その後たまたまサンマーク出版の前身の教育研究社というところが、書店向けの本を出すということでした。それまでは家庭用の『新しい家庭教室』という全集のセット商品をですね、それを全国の営業マンが家庭訪販で売るという仕事がメインでした。教育研究社はその編集部門だったのですが、そちらが書店用の本を出すということで募集があったんです。それに応募しまして採用になりました。ですから、書店向けの本の最初の1冊目から関わってやってきたということですね。書店向け出版ということではずっとゼロからやってきているんです。色々と良いこと悪いことありましたけども、そういうことでのスタートでした。

私が1995年に企画編集した『脳内革命』という本がありますが、これはプラス思考をすると、β‐エンドルフィンという脳内モルヒネが出て、それが心身に良い影響を及ぼすということを春山茂雄さんという方がおっしゃったんです。これを縁があって出すことになったんですが、これが大ブレイクして400万部を超えました。戦後の出版界で第2位というとんでもない数字になったんです。我々は(本に)読者カードを入れていますが、これがものすごい勢いで返ってくるんです。通常、200人買ったら1枚返ってくると言われていますが、それが毎週毎週ものすごい膨大な数の読者カードが返ってきました。「この本によって悩んでいたけども救われた」という声がものすごく多かったんです。そこから本というのはエネルギー体だという思いが、頭ではなくて自分の体験としてあったんです。ですから、そういうエネルギーがあるものはやはり人から人へと伝播していくんだなという実感を覚えたというのが、私の本づくりの1つの根幹の体験になりました。

そういうことを踏まえて、やはりエネルギー量の高いもの、凝縮したものを出すということは大変大事だということをよく伝えています。出版界ではよく、柳の下にどじょうが何匹もいるということが言われていますが、やはり模倣から生まれたものにそれほどエネルギーがあるはずがないじゃないですか。やはりそうではない。本然というのは、「本来そうあること」なんですが、その著者にも本然という、本来の著者の一番の強みや、編集者にも出版社にも本然があると思います。その本然対本然が合致したときに本当に素晴らしいものができると。ですからやはり、真っ向勝負ではないですが、変化球で逃げるのではなくて直球で押していってそれで勝負するという、そういうものが根幹にないといけないというのが、私の思いでもあり確信でもあります。

社長プロフィール

President's profile
氏名 植木 宣隆
役職 代表取締役社長

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