株式会社サンマーク出版 ~縮小する出版市場でヒット作品連発!サンマーク出版式ヒット創出術~

Vol.3 ヒットを生み出すための様々な制度

株式会社サンマーク出版 代表取締役社長 植木 宣隆 (2017年4月取材)

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―ヒットを生み出すための様々な制度―

【植木】

私はちょうどこの出版界に(入って)40年になるんです。最初の20年は右肩上がりの時期でした。後半の20年は出版界全体の売上高が2兆6000億円から1兆6000億円に、4割落ちた時代なんです。ただ我々はその4割落ちた時代に7冊のミリオンセラーを出しているんです。世間の動向とは逆行しているというか、そういう面はあると思いますし、今色々な形で注目していただいているのも、出版界は斜陽産業と言われて長いですが、その中で一定以上の結果を出してきたことが評価されていると思います。その背景には、やはりあまりリスクを冒さなかったり、横並びであったり類似モノを出していくような、そういうことではなく、ゼロからものを生み出していって、本当に良いものだからと出していく、かつエネルギーを込めて出していく。とはいっても、我々はもちろんソフト産業ですから、それはゲームでも映画でも音楽でもソフト産業で、多くのものが出て、わずかなものがヒットするというのは宿命なんです。それは逃れられない。その確率をいかに高めるのか。あるいは1点1点どれくらい本当にエネルギーを注いで人の心に入り込めるものをつくれるか、そこが大事ですね。ですから、そこのところで非常に大事にしているものがあって、それを社員と共有できているという側面がある。そこが一番うちのDNAになっている。そういう部分があるから、もちろんヒット作も多いですしロングセラーも多いということだと思いますね。

我々は「天地自然の理に学ぶ」ということを会社の経営理念にしていますけれども、自然界というのはやはり、とても多様性に満ちていますよね。もちろん目指すものは共通していても、それを表現するのは多様性が必要です。色々な人がいてもいいんだという部分で、ある程度個人のこれをやりたいという気持ちを活かしてやっていくという部分ですね。それを大事にしているわけです。その一例として、『コーヒーが冷めないうちに』という本があるのですが、これは若手の女性編集者が芝居を観に行って、その芝居が素晴らしいということでこれを脚本家に小説にしてくれと依頼したんです。4年後に作品ができたのですが、実はその企画自体は編集長からダメ出しを食らったんです。

ところがうちの会社には“編集者特権”というのがありまして、編集長や社長が反対しても、倫理的に問題があったり、エログロナンセンスであったりというもの以外であれば、年に1冊は自分の判断で出せるという制度があるんです。それでこの本は世に出たんです。また1つに“企画賞”があります。これは実売が3万部以上いった本については、賞与時に1%企画者に特別賞与の形で出るんです。このシステムが面白いのは、10万部以上になったら、社員全員で何かするのを0.5%と、本人分が0.5%と分かれます。でもそれが100万部超えても続くのです。これも画期的な制度なのですが、年間の売上目標、利益目標、これを両方クリアした場合には社員全員に特別賞与、言い換えれば達成賞与というものと、1ヶ月間の特別有給休暇を出すんです。私はこれまで14期社長を務めてきて、そのうちの7期は達成しています。ですからみなさん、達成賞与と達成休暇を享受しています。やはり最高のものをつくろうという気持ちをどれくらい強くもっているかによって、その人の編集者としての、あるいは営業マンとしての結果も出てくるんですね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 植木 宣隆
役職 代表取締役社長

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