Vol.2 “リスクを恐れる”から“リスクを取れる”経営へ
―“リスクを恐れる”から“リスクを取れる”経営へ―
【青野】
就活をした上で9ヶ月か10ヶ月間社会人として会社勤めを経験し、その後創業することになりました。その時にその程度の経験しかありませんので、できることと言えばやはり、もともと好きだった飲食と音楽の領域の中にしか見いだせなかったので、その中でできることを本当に小さいことですが1つずつ探して、1個ずつチャレンジをしてという形で事業を始めました。
最初は、飲食も音楽もどちらに優先順位があったわけではないのですが、今もそうですがやはり飲食店をやるとなると、特に直営店を出す場合は、仮に小さいお店でも数百万円からだいたい1000万円以上くらいは初期費用が必要になってきます。やはりそのリスクは最初から負えないということがありましたので、消去法で、音楽の方からやろうかなということになりました。最初は本当に小さいイベントの企画や、時間によってスペースを持て余しているような、デッドスペースになっているような場所をお持ちの、例えば飲食店さんやギャラリー、場合によっては工場なども結構あるなと思いまして。もちろん設備等はイベントをやる際に万全ではないのですが、設備が整ったホールよりもそういう変わったロケーションの方が、逆にお客様視点でいうと魅力があったりする場合もあるので、最低限の機材を買って、それをそういった立地に持ち込んで少し変わった場所でイベントやコンサートをやるということを多発していたのが最初になります。
一応10ヶ月くらい雇われていた経験もあったので、一生懸命働ければ最低限のお給料がもらえるという固定概念を持っていたのですが、創業したら雇われていた時より2倍以上働いたと思うのですが、給料が全く出ない、頑張ったから出るわけではないという現実にぶつかりました。なので、中長期的には社会にとって意義のあることをやっていきたいという思いもあったのですが、創業してやっている以上、とはいえ今月、来月食べていかないといけないという、現実との狭間で苦しんだのが最初の思い出です。
大変ではあったんですが、やるべきことも幸いいくつもアイデアとしては思いついていましたし、すごい小さな1歩なのですが、1個ずつイベントが成功したり、その成功角度が上がったりすると、半年前までは手が出せなかったようなもう少し大きいイベントへも多少リスクも大きくなりますが、トライできるようになったりしました。その延長上に最初は後回しにしていた飲食店もそろそろ1000万円くらいのリスクであれば背負ってもやれるのではないだろうかと。チャレンジできるフィールドが非常に、1歩ずつ拡大していく。そこにやりがいをすごく感じていたので、苦労よりもおそらくそちらのほうが上回ったのかなとは思います。
一応、本当に小さいながらも会社が回ってきたので直営の飲食店舗を創業して、1年半後くらいに出したのが1つ大きな転換期になりました。本当にまだ当時でも24歳とか、25歳くらいなので全くの経験もないですし、周りに集まったメンバーも同世代ですので、私と同じかそれ以上に全く経験がないメンバーで、本当にゼロから体当たりで最初の飲食店はつくりました。段々と1店舗目が軌道にのっていって、そこから2店舗目の検討が始まります。そうすると1店舗だけでのトライアンドエラーが2店舗で同じことを始めると、ある意味倍速で改善が進み、3店舗になると3倍で進んでいくという中で、少しずつ飲食店の直営店舗展開が成長の基軸になってきたというのが、その次の段階です。
経営者プロフィール
氏名 | 青野 玄 |
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役職 | 元取締役会長 |
会社概要
社名 | 株式会社エスエルディー |
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本社所在地 | 東京都港区芝4-1-23 三田NNビル |
設立 | 2004 |
業種分類 | サービス業 |
代表者名 |
青野 玄
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従業員数 | 909名 |
WEBサイト | http://www.sld-inc.com/index.html |
事業概要 | 飲食サービスやコンテンツ企画サービスを展開 |