東京テアトル株式会社 消費者の「時間」を演出する！映画会社の次代に向けた挑戦 東京テアトル株式会社 代表取締役社長 太田 和宏　 (2017年5月取材)

―求める人材と視聴者へのメッセージ―

【太田】

確かに人材の確保というのは、飲食などはまさにそうで、これは抗えない状況だと思います。どの会社さんに聞いても人材の確保というのは（大変）。今まで飲食事業などでは、若い人材を使うことが当然とされていましたが、これからは30代が60代を使っていく時代になっていくと思うのですよね。僕としては、それが自然となるような会社の作り方や仕組みを、ちゃんとできるようにならないといけないなと思っています。当然60代の方たちの意識改革も必要ですし、30代が自分たちよりも体力ない人たちをどう使うかということも、人口構造がそういう風に変化しているわけですから、考え方を変えなければいけない。

考え方を変えるというのは今申し上げたようなことなのですが、その意識改革が一番大変なことだと思うのです。そりゃそうですよね。かつて上司だった人間を使わなくてはいけないわけですから。そういうのが自然になる会社にしなければいけないと思います。特にうちはサービス業なので。

そういうところで言うと観察力ですね。要するにデータ分析はすでに終わってしまっているのです。今お客さんの嗜好は変化しているので、観察力というのはお客さんが気付いていないニーズを掘り出して、それを具現化する。僕はよく無自覚欲求の具現化というのですが、潜在ニーズを発掘することですね。いきなりポンなんて出てこないでしょうから、常に日々社会の動向とかを見ていること。それにはマニュアルはないと思うのですね。自分なりの感性の使い方でやることなので、新入社員で入ってきた方にもよくそういう話をしますが、やはりその観察力、そういう姿勢があるかないかで、ある時突然パンと降りてくるのですよ。そういうのって。クリエイターの方々で優秀な方はやはり観察力がありますよね。ああ、なるほどなということをよく見ていらして、社会性というのでしょうか。

まず当社は映画、飲食、不動産とそれぞれの事業のサービス業を展開しています。言ってみれば社内転職ができる会社ですので、若い方々が入ったら、さまざまな自分の力試しができる、そういう会社であると思います。従って、映画がやりたくてうちの会社に入ってくる人は多いのですけれど、仮に飲食に行っても、飲食の中で将来映画につながるようなスキルを学べるかもしれませんし、逆に自分の思わぬ才能を、違う部署で発見することもできます。そういう意味では、気軽といっては何ですが、自分の能力をいろいろ力試しができる会社だと思って、ぜひ興味がある方は当社にチャレンジしていただきたいと思います。