株式会社市進ホールディングス 成熟した組織の戦略!人材の高齢化が秘める新たな可能性 株式会社市進ホールディングス 代表取締役会長 下屋 俊裕 

Vol.4 成熟した組織の課題と人材育成

インタビュー内容

―成熟した組織の課題と人材育成―

【聞き手】

社員のみなさんによくお話しされていることはありますか?

【下屋】

50年を超える歴史がある会社ですと、ある面では人任せというか、やらされ感たっぷりの形にどうしてもなっていくのです。自分たちで自発的に動こうにも、組織の中での動きになってしまうので、制限が加わると、やらされているからやっているんだという感じになっていると、この何年かずっと感じていました。だからそこだけは払しょくしてほしいという話をしています。
自分たちが働いて、ホールディングスは会社としてこれだけの支払い能力はあります、それよりさらに乗せる部分は、まさに現場の先生方の頑張りであると。こういう指示が出たから、言われたからやる、言われていないからやらないという会社に、ここ何年かずっとなっているのではないのかなと(感じている)。新しい事業に入ったところは、まだ自分たちで動いているなという感じはするのですが、一番歴史の古い部分の会社になってくると、どうしても組織が膠着しているというか。

【聞き手】

ある程度、型ができあがっている。

【下屋】

そこを何とか打開してくれるような、若い人たちに出てきてほしいなと。

【聞き手】

そのことを醸成するために制度を設けていたり、会社として取り組んでいたりすることはありますか?

【下屋】

会社としては、これから先一番充実させなければならないのは、例えば1年目の研修、3年目の研修、5年目の研修など研修制度の充実。それから提案制度にも、もともとの制度はありますが(変えていく)。お金で釣る気はないのですが、これだけのことをやったのだったらこれに見合った賞品を出そうと。社員の提案から事業化するのであれば、それに見合った、1等なら賞品という形できちんと出してあげたりなどしています。
それから若い社員の人でも、最初から学習塾という教える現場ではなくて、その人の適正を半年くらいで見極めて、思い切って最初から、本人が希望するしないに関わらず、例えば海外事業とか、能力開発とか、学童事業とか、最初から幼児教育のほうとか。早い時期に、社員の人たちを合った場所に行かせてあげたい。どうしても最初は市進なら市進で何年間かというのが会社の流れの中であるので、そうじゃない形を作っていかないと、なかなか活性化しないとい感じています。

【聞き手】

今、少子高齢化かつ人口減というところで、人を採用するのも大変ではないですか?

【下屋】

まだ首都圏ですから地方に比べたらというところがありますが、大変にはなってきています。ただ先生という部分に関しては、ウイングネットという会社があるのですが、10年の歴史を迎えて、映像を配信されている場所は、全国で1800を超えているのではないでしょうか。昔ながらの先生という表現はよくないのですが、集団でフェイスツーフェイスというのがどうしても根っこにあるのですが、今の子どもたちはパソコンでものを見るのは非常に慣れています。映像はかなり精度が高く、教えている先生たちのレベルも一定以上できちっとしている商品なので、売上げは70億前後まで伸びています。この映像という商品が自分たちの会社の中にあるというのは、これから先の講師不足をかなりカバーできるのではないかと考えています。

【聞き手】

そんな御社の中で、こんな人は活躍するというタイプはどんな方ですか?

【下屋】

フットワークの軽い人。あっと思ったらもうすでに現地に飛んでいる人ですね。結局クレームなどがあったときに電話で指示しては駄目なのですよ。やはりパッと動いて、例えば一つの教室で何かもめごとがあったら、そのエリアを束ねる責任者というのはすぐ現場に行って、自分が出ていった以上は自分で解決しますというべき。私以上も私以下もありませんという形でクレームに対して動けるのかが大切です。いろいろな問題が起きたときも、自分の判断で処理しますというくらいの、フットワークが軽くてその場できちっと決断できる(人が理想)。頭の中の判断というのは10人中8人から9人はこうするだろうと思ったらほぼ正しいですから、もしかしたらの1とか2を考えて決断が鈍るのだったら時間の無駄と思っています。結局その決断をして何か誤りがあったとしても、最終的な責任というのは会社の社長にあるわけですから、本人は全然悪くないと思っています。そこまで行動したということ自体を評価したい。机の上で指示していて、じゃあその件は誰それだとか、誰それが出ていって謝れとか、そんなことを繰り返していたらだんだん物事が大きくなっていくだけの話ですから、もうこれ以上もこれ以下もないと(動いてほしい)。クレームには、自分自身は動けるのだったらすぐ動こうと思っています。


経営者プロフィール

氏名 下屋 俊裕
役職 代表取締役会長

会社概要

社名 株式会社市進ホールディングス
本社所在地 千葉県市川市八幡二丁目3番11号 GEエジソンビル
設立 1965
業種分類 サービス業
代表者名 下屋 俊裕
従業員数 4229名
WEBサイト http://ir.ichishin.co.jp/
事業概要 学習塾「市進学院」「市進予備校」や個別指導塾「個太郎塾」FC教室、「桐杏学園」などの運営
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