株式会社テンポスバスターズ 飲食店を創造する“フードビジネスプロデュース”の神髄 株式会社テンポスバスターズ 元代表取締役社長 平野 忍　 (2017年6月取材)

―フードビジネスプロデューサー”になることの真意―

【平野】

ダイワエクシードの業績があまり良くなく、少し縮小傾向になりそうだという雰囲気がありました。実際にいろいろな方々が辞めていく中で、辞めたところから誘われたりもしました。しかし、もう子どももいたので、昼の仕事の方がいいのではという気持ちになりました。

しかし東京でやるよりも、一回九州に戻ろうかということになり、テンポスバスターズを全く知りませんでしたが、会社案内で業務用の厨房機器を売っているということで、何かしら自分の経験が生かされるのではと思い、福岡へ行って受けたのです。

縁というか不思議なところがあって、私は北九州の小倉店がいいと言ったのですが、人がいっぱいなので、人がいない福岡店ならいいよと言われたのです。私にしてみれば北九州市も福岡市も遠いは遠いのですが帰れるのならいいやと思って軽く返事をしました。今はテンポスバスターズのなかで2番目に売上が大きな福岡店ですが、当時はまだ3番手4番手くらいでした。なので、もしその時小倉店に行っていたら、もしかしたら（私は）今のポジションにはいないのではないかという気がします。

今は“フードビジネスプロデューサー”になろうということを、声高らかに言っています。実は入社当時も言っていました。しかし入社当初の福岡の店舗に行くと、900坪くらいの場所に新品と中古がずらっと並んでいて、それだけだったのです。何が言いたのかというと、今は開業や販売の手助け、人材教育のお手伝い、内装のお手伝いなどいろいろなことができるようになっていますが、入社した当初は「中古安いですよ」しかなかったのです。

厨房機器と調理道具、イスやテープルを販売する中で、いろいろなお客様から言われるのは、「内装ができない？」や「物件ないの？」といったことでした。例えば内装屋さんは知り合いにいるから、厨房機器だけお願いしてというパターンの場合、飲食専門じゃないとなかなかうまくいかないのですよね。

なので、それぞれのお店に協力してくれる内装屋さんなどと一緒にやったりしつつ、内装会社をM＆Aして今はグループ会社にしています。お客様の声を聞きながら、お客様にとっては相談する会社は1社でよくて、そこから全部つながっているというのがいいのではないかと考えました。それがある程度できているのが、今のグループの状態です。