Vol.4 特徴的な社内制度
―特徴的な社内制度―
【平野】
“フードビジネスプロデューサー”になりましょうというのはずっと変わりません。ただ“フードビジネスプロデューサー”とは何だというのがなかなか難しいのですが、要は個人においてお客様の相談に乗れる集団です。何の相談に乗れるかといえば、相談の枠はいっぱいあるわけで、何か一つでも二つでもいいから極めよう、プロになろう、と言っています。
例えば『あさくま』を一緒にやっていますが、飲食をやりたいわけでなく、会社を再生させるプロの人や、飲食でのお店を再生させるプロなどがいます。会社もそうですし、飲食店もそうですし、その中で人材を教育するプロや飲食店をやる人材を教育するプロだとかを完全に実践できる場として一緒になっているのですね。
“フードビジネスプロデューサー”という頂があって、山があって、いろいろなところから登れるというイメージなのです。そのいろいろな登り道が各グループ会社であって、例えば販売促進に特化しているプロフィット・ラボラトリーという会社があるのです。テンポスバスターズはどちらかというと浅く広くがメインですが、その中でも調理道具だとかイスとテーブルという商品のプロを作っています。人材事業や人材紹介など人に関するプロもグループ会社にありますので、どの会社に入っても、目指すべきものは“フードビジネスプロデューサー”ということでやっています。
今期15店舗くらいテンポスバスターズで出店し、『あさくま』も出店していくと、だんだん人が薄れていきます。だからといって人を入れると人件費がかさむので、テンポスバスターズの理念の浸透ややるべきことの指導、徹底させるというのはどういうことだとか、そういう人に対することをいま強烈にやっています。少数精鋭じゃないですが、これがある程度固まってきてから、またどこかのタイミングで膨らませていく、これの繰り返しだと思うのです。
昔からあるのは、すでにお話しした立候補制度、自分が行きたいところに行けるFA制度、逆に誰々こっち来いよということができるドラフト制度、もちろん双方の上司のOKをもらったうえですが移動できるやり方があります。
テンポスバスターズや『あさくま』に限っていえば、パートさんもひっくるめたマイスター制度があります。どれくらいプロに近づく動きをするか、実際に働くパートさんの腕を競い合うというものです。むこう1年間時給1500円とか副賞がいっぱいつきます。ただ、時給を上げたいから来るというよりかは、やはりみんな違うことを持ってきていますよね。ありがたいことに。お店が好きで、もっとレベルを上げたくてといらっしゃいます。でも試験だと緊張しすぎて失敗するという方も中にはいらっしゃるので、運営する側としてはなるべく緊張させないようにお店と同じようにするだけでなく、そのお店での一年間をちゃんと点数に入れるのですよ。だからテストだけ良ければいいのかというと、そうではありません。1回限りで終わりではもったいないですよね。大事なのはそのあとどう続くかです。
仕組みをつくってどの人でも当てこんでいくというのが理想だとは思います。誰がやってもこれはできるよという仕組み。ただそればっかりだと、言い方は悪いのですが面白くないので。大事なのはいろいろな個性がある人に、いろいろな仕事をくっつけられること。テンポスグループではできると思うのです。だから、簡単ではないのですけど、わが社でいう「毎日一生懸命じゃだめだといいながら毎日一生懸命する人も必要だ」という両方の仕組みを作りたい。失敗するか成功するかはわからないけど、とりあえずがむしゃらにやっていこう、仕事にやりがいを持っていきましょうと。仕組みを選ぶのは人ですが、どちらを選んでもいいという制度があれば、自分のこれからの人生を自分で選択してここに来たことになります。そういう制度を作って、もっと打ち出さないと駄目だと思います。ただ、一辺倒に同じ仕事をやる会社ではないというのは、逆に言うとすごい強みだと思っています。
経営者プロフィール
氏名 | 平野 忍 |
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役職 | 元代表取締役社長 |
会社概要
社名 | 株式会社テンポスバスターズ |
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本社所在地 | 東京都大田区東蒲田2-30-17 |
設立 | 1997 |
業種分類 | 卸売業 |
代表者名 |
平野 忍
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WEBサイト | https://tenposbusters.co.jp/ |