ぺんてる株式会社 ~大胆な行動が次代を掴む!“文具メーカー“ぺんてるの挑戦~

Vol.3 マネジメント側の心得

ぺんてる株式会社 代表取締役社長 和田 優 (2017年7月取材)

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―マネジメント側の心得―

【聞き手】

実際に製造現場でずっとやってこられて、ポジションは上がっていかれます。ポジションが変わることによって、働き方や会社との関わり方や社員との関わり方や、ものの見方などは変わっていかれたのですか?

【和田】

やはり上に行けば行くほど、下がしっかり見ているわけです。上司のことを部下は何秒かで見るし、上司は部下のことをなかなか見られないとよく言います。確かに人数が増えていくとその通りなのですね。性格まで把握しようとすると大変なことです。でもそこを一つ一つクリアしていかなくてはいけないのと同時に、部下が増えていっても優劣を評価してはいけない。性格的に合わない人間でも好きにならないといけない。それはやはり上に立つ者のやるべき(こと)。しっかり肝に銘じなくてはいけない心得かなと思います。係長の頃は10弱の部下ですし、課長になれば当時70人くらいいましたし、工場長になれば200人弱になります。やはり一人の人間が短期間に二百何人を性格から何から覚えるのは大変ですし、やはり目立った人を好きになるというのも仕方のないことですが、そこをいかに公平に評価しながらというのが大事なことだと思います。

【聞き手】

比較的素直で使い勝手のいい部下こそ外に出して、なかなか扱いづらい人こそ自分の下に置きなさいという言葉があったと伺っていますが、それはご自身でマネジメントされる上で大きなことでしたか?

【和田】

絶対だと思っています。うちの創業者について評価いただいていることの一つですが、業界の個性豊かな人間にはうちのOBが結構います。それがいまだに語り草になっていまして、それがなぜかと言えば、創業者の器だったのだろうと思うのです。梁山泊じゃないですが、とんでもなく個性のある人をどれだけまとめていけるかというのは、上に立つ者の器だろうと思います。そういう意味では、自分が育てて使い勝手がよく、仕事もやれる人というのは、要請されればやはり積極的に出していく。かわりにとんでもない鼻つまみ者といわれている人を集めてくる。これはやはり組織を担っていく醍醐味になりますし、それができなければ自分はそこで終わりという自分自身の評価にもなります。そんなことを常に、先輩からも言われましたし、私自身も実行してきたつもり。

ですから、当時は鼻つまみ者でとんでもない、飲めばけんかするような人間が、ある程度私を追って上に立ってくれば仕事もこなせるようになり、そういう人がいろいろなところに優秀な人材としているというのは、私自身
は非常に助けられていますし、やって良かったなと感じます。工場に行き、そういう人間に会って一杯飲んだりしたときに、「こいつもこんなことまで言うようになったか」と感じると、やはりうれしいですよ。

【聞き手】

2012年に経営トップに就任されました。経営のトップに立ってみられていかがですか?見える景色は変わりましたか?

【和田】

変わりますね。まず何よりも、どの組織でも、事業部を持っている事業部長でもそうだと思いますが、最後の砦になりますので孤独感は最初から感じていました。

【聞き手】

今トップになっておられるからこそ、ここはぜひ変えていきたいなと思う部分は?

【和田】

失敗を恐れず挑戦するというのは、少し欠けてきているかなという気がします。会社らしくなっていくと、ますますその会社の組織になりますので、上下関係も出てきますし、失敗を警戒するというのが出てくると思うのです。私が入った頃は、組織も会社の体をなしてないようなところも結構ありまして、失敗しても許されるところもありましたし、そういうハチャメチャなところはほしい。だから社員にはチャレンジ精神を発揮しなさいとは言っているのですけど、ちょっとその辺が物足らない。社員に対しても少しずつ少しずつ物足らなさを感じているのはそういうところかなと思っています。

【聞き手】

ご自身もチャレンジしていきたい?

【和田】

私は、チャレンジはどんどんなくなってはきましたね。舵取りを間違えてはとんでもないことになりますから。そこはちゃんと押さえなければいけませんので。むしろチャレンジしてほしいのは若い人たちです。例えば入社10年未満の人たちには、どこへでも行きますというような意欲的な行動はほしいですし、こんなことをやらせてくださいという申告があってもいいと思います。そういう世代、これから会社を担っていく人たちはやはり、失敗によって経営的なセンスを磨いていく必要があると感じていますので、これからも口うるさく言っていこうかなと。ただ自分はもうこの年になりましたし、次を考えなければいけませんし、舵取りを間違えてはいけませんので、あまり無茶なチャレンジはできませんけれども、若い人たちにはぜひ伝えていきたいと思っています。

社長プロフィール

President's profile
氏名 和田 優
役職 代表取締役社長

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