Vol.1 運命を変えた2つの転機
コンビ株式会社 副会長(元代表取締役社長) 五嶋 啓伸 (2018年8月取材)
【ナレーター】
時代の変遷と共にその形や考え方も変化している、日本の育児。
核家族や共働き世帯が増加する一方で、子どもの医療費助成や、子育て支援事業の実施など、国や地方自治体も積極的な育児支援を行い、育児環境の整備を推進している。
そんな中、育てる側に心身のゆとりを提供し、「子育てが幸せだと思える社会」の実現に向け、半世紀以上にもわたって国内のベビー&トイ業界を牽引し続ける企業がある。コンビ株式会社だ。
ベビーカーや哺乳瓶といったベビーグッズや、おむつ交換台などの施設用育児用品を軸に、保育園運営や機能性食品の製造・販売で実績を重ね、2018年には、大手自転車メーカーと業務提携し、子乗せ電動アシスト自転車用チャイルドシートを開発するなど、次々と新規事業に着手。
さらに、アジアを中心とした海外へも積極的に進出し、今後、戦略の領域をグローバルに拡大していく予定だ。
高いブランド力を築き上げたコンビのDNAに隠された、信頼を生み出すマーケティング戦略に迫る。
―運命を変えた2つの転機―
【ナレーター】
サラリーマンにはなりたくなかったと、芸術思考だった五嶋。しかし、就職先として選んだのは大手製薬会社だった。その理由について、次のように語る。
【五嶋】
今の妻との出会いが大きかったですね。妻は月曜日から金曜日まで働いていて、土曜日と日曜日はレストランでアルバイトをしていました。そのお給料を弟と妹の学費にもあてつつ生活していましたので、1年中働いていたんですね。
それを見たときに、自分の甘さを感じ、考え方が変わりましたね。妻は幼少の頃に父親を早く亡くして苦労していたので、就職課にいって一番給料の高いところに応募し、なんとか入社しました。
1社目がそこですごく良かったと思います。ノルマの世界なのでかなり厳しかったですが、それが糧になったと思いますね。
【ナレーター】
その後、父親から自分が勤めている会社への入社を勧められ、退職間際に父親が急逝。新たな就職先を探す中で出会ったのがコンビだった。入社を決めたきっかけとは。
【五嶋】
話を聞いて一番の魅力に感じたのは、なんでもできて、中途で入っても分け隔てない、そういう社風ですね。
社長プロフィール

氏名 | 五嶋 啓伸 |
---|---|
役職 | 副会長(元代表取締役社長) |