近年、目覚ましい技術革新を遂げるITにより、新規の参入が難しいとされてきた医療業界にも、革新的な技術とサービスを生み出すベンチャー企業が続々と登場しています。
今回は、医療に関する注目企業を厳選し、それぞれのサービスの概要をまとめました。
さらに経営者自らが語るインタビューでは、経営理念や起業秘話、事業にかける想いなどを紹介。医療業界が抱える様々な課題を、最先端技術をもって解決しようとする経営者の素顔と、世の中にかけがえのないサービスとなるために経営者が見据える今後のビジョンに迫ります。
【目次】
1.メドピア株式会社 2.株式会社カケハシ 3.株式会社MICIN 4.クオンタムバイオシステムズ株式会社 5.エルピクセル株式会社 まとめ |
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1.メドピア株式会社
2004年に創業したメドピア株式会社は、医師への支援を通じて患者を救うことをミッションに掲げる医療ベンチャーの先駆けです。
同社が運営する『MedPeer』は医師同士が臨床経験を共有しあい治療に役立てる医師専用コミュニティサイトで、会員数は12万人と実に国内医師の3人に1人が登録する日本最大級のドクタープラットフォームに成長しています。
代表取締役社長兼CEOの石見陽氏は、医師と医学博士の肩書をもつ異色の経営者。2014年に「現役医師兼経営者」として史上初の東証マザーズ上場を果たしてからも、現役の医師であることにこだわります。
インタビューでは「我々が提供するサービスが止まったら、日本の医療が大変になるというぐらいに、実際の医療に入り込むようなサービスをITの力を使って提供していきたい」と語る石見社長。多忙ながらも医師を続ける理由もインタビュー内で明かされます。
今後は予防医療ビジネスも第二の柱として確立していくというメドピア。医師目線を持つからこそ描ける医療ビジネスの展望を、インタビュー動画にてご覧ください。
メドピア株式会社 石見社長のインタビュー動画はこちらから
2.株式会社カケハシ
株式会社カケハシは、患者と医療従事者、それぞれの体験をアップデートすることで、今後の日本に必要な「しなやかな医療体験」を提供しようとするベンチャー企業です。
同社が展開する調剤薬局向け電子薬歴システム『Musubi(ムスビ)』は、ITを用いて薬剤師の負担を軽減し、個々の患者にとって最適な指導内容を提案することで、患者と薬剤師とのコミュニケーションの活性化と、薬局の価値向上に貢献しています。
代表取締役CEOの中尾豊氏は、大手製薬会社で優秀な成績を収めていた元MR。中尾社長は独立はリスクだと反対する周囲の声に対する当時の気持ちを、「動かないことのほうがリスクだと感じました。チャレンジするほうがリスクヘッジだと思うようになっていたのです」とインタビューで語ります。
『Musubi』の薬局導入数を順調に伸ばすカケハシは、創業から約3年半となる2019年10月には累計37億円の資金調達額を実現しました。さらに新しい薬局体験を創り出そうとする中尾社長のビジョンとはどのようなものか、詳しくはインタビュー動画をご覧ください。
株式会社カケハシ 中尾社長のインタビュー動画はこちらから
3.株式会社MICIN
「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界」の実現を目指す株式会社MICIN(マイシン)は、オンライン診療アプリとしてトップシェアを誇る『curon(クロン)』の運営や、医療データのAI解析を手掛けるスタートアップ企業です。
医師としての経験を持つ代表取締役の原聖吾氏を筆頭に、医療とテクノロジーそれぞれの分野のトッププレーヤーが集結するMICINは、多くの大学病院などと共同研究を実施。生活習慣と病気の因果関係や熟練医師の経験など医療現場に埋もれていたデータを解析し、治療や予防の高度な活用を実現します。
同社を創業した原社長は医師だけでなく、政策コンサルタントや米マッキンゼー入社などの経歴を持つ経営者。マッキンゼーの同僚とともに興したMICINの今後について、「我々はどこよりもこの医療情報を深く理解して、そこから価値を出せる、そういうチームでありたい」と語ります。
見過ごされてきた医療データにテクノロジーで光を当て「誰もが後悔しない人生をまっとうする」につなげようとするMICINの挑戦と、多角的な側面から物事を見据える経営者の想いを、インタビュー動画でご覧ください。
株式会社MICIN 原社長のインタビュー動画はこちらから
4.クオンタムバイオシステムズ株式会社
クオンタムバイオシステムズ株式会社は、革新的な遺伝子解析装置(以下、DNAシーケンサー)を開発するスタートアップ企業です。
従来のDNAシーケンサーに比べて1000倍のスピード、100分の1のコストでのDNA解析の実現に向けて研究・開発を続けており、医療分野のみならず食物や燃料に関するグローバル問題の解決にもつながると言われています。
代表取締役社長兼CEOの本蔵俊彦氏は、研究者からアナリスト、コンサルタントと国内外でキャリアを遍歴した後、2013年1月に大阪大学の基礎研究成果をベースとする大学発ベンチャーとして同社を立ち上げました。
様々な国籍や技術を持つエキスパートを集めたチームにおいて、本蔵社長が注力したのは3つの指針を組織に浸透させること。インタビューでは「どれが欠けてもチームとして働くことは難しい。その3つを常に掲げることによって、問題解決のスピードは格段に上がっているのではないか」と自身の組織マネジメントを振り返ります。
本蔵社長が示した3つの指針とは何か。今後、さらなる活躍を目指すビジネスパーソンにとって必見の内容です。是非インタビュー動画をご覧ください。
クオンタムバイオシステムズ株式会社 本蔵社長のインタビュー動画はこちらから
5.エルピクセル株式会社
東京大学発ベンチャーとして、医療や製薬、農業といったライフサイエンス領域に特化したAI画像解析ソフトウェアを開発するエルピクセル株式会社。
ビッグデータを活用することで高精度の医療診断を可能にする同社の技術は、日本を代表する医療機器メーカーからも注目され、2018年には30億円の資金調達を実現。開発した次世代医療診断支援技術『EIRL(エイル)』は医療機器ソフトウェアの認証も取得しています。
代表取締役の島原佑基氏は、iPS細胞発見のニュースに触れて「バイオ×IT」時代の到来を直感。生物学を専攻したことで、ライフサイエンスと画像解析の融合という自身の強みを生かした分野を確立しました。
同社のミッションに「研究の世界から革新とワクワクを!」と掲げる島原社長はインタビューの中で、「研究室のスピンアウトらしさを忘れずいることで、ライフサイエンスにおける日本版Googleのような企業になりたい」と語ります。
2016年のインタビューで目標としていた医療機器認定を着実にクリアし、「平等な医療」の実現を目指すエルピクセル。研究の世界に革命を起こそうとする同社のビジョンを、是非インタビュー記事にてご覧ください。
エルピクセル株式会社 島原社長のインタビュー記事はこちらから
まとめ
先進国の高齢化などにより医療ニーズはますます拡大していくとみられます。革新的な技術で社会問題に向き合うペンチャー企業の活躍は、さらに注目を集めていくことでしょう。
その先陣を走る今回ご紹介した5つの企業のビジネスが今後、私たちの生活にどのような革新をもたらしてくれるのか。今後の動向から目が離せません。