株式会社メディネット 先端的がん治療“免疫細胞治療”を高度技術で支援するサービスを提供 株式会社メディネット 代表取締役会長 木村 佳司　

歴史

【木村】

私自身がすごく身体が弱かったので、幼稚園に入る前からひどい小児ぜんそくで、高校１年生くらいまではどうしようもないような不良児だったのです。そういうことでお医者様にはとてもお世話になっていたものですから、そういう意味でメディカルに関わる仕事を将来はしたいなと潜在的に思っていました。

それで４３歳の時に自分で会社を創ったのです。その時はたった一人なのですけれど、どうせやるなら、新しい付加価値を社会に提供できるようなことがしたいなと思いました。ぜんそくというのはアレルギーや免疫系の病気です。ですから免疫というのはすごく身近だったもので、その分野でやりたいと思いました。

それで免疫の分野ではその時期にどういうことをされているのかなと思って、いろいろマーケティングを１年半くらいしている時に、今の江川滉二（東大名誉教授）と出会いました。話しを聞いてみると、免疫というものを使って、癌の治療をして社会に出せるものなら出したいとのことでした。

そういうお話で、その時期に出あえたから、こういう事業が始められたのではないかなと、１０年前に出あっていてもお互いにそのようなことは思っていなかったかもしれません。

【木村】

始めたときは上場などと言う言葉はとてもじゃありませんが、似つかない小さい規模で始めています。それが今の形になっているわけですけれども、上場を意識しはじめたのは、次の事をやろうとすると、やはり資金が必要なのです。小さい企業なので信用もそんなにありませんから、上場して資金調達の手段を間接と直接と両方持つというのは、刀でいうと二本差しになるという事です。

そういうものを目指さないと逆に当社の考える世界を作ることができないということで、少し形が見えてきた時点からは上場を目指そうと、また応援してくださる証券会社の方などがいらっしゃいましたから、それに向かって走り始めたということです。

私たちの仕事は患者様に直結しています。患者様自身にその存在を知ってもらわないといけないので、そういう意味でも株式を公開するということは、こういうことをやっている企業があるということを示すことで、こういう治療法が研究的ではなくて、治療が受けられるような状況に変わったのだということを知らしめると、これはものすごく大きなことであるし、戦略的にそういうことを考えていました。