フーリハン・ローキー株式会社(旧GCA株式会社) ニューヨークやロンドンなど世界に展開するM&Aアドバイザリーファーム フーリハン・ローキー株式会社(旧GCA株式会社) 元代表取締役 渡辺 章博　

プライベート

【渡辺】

これは親から言われたことでもあったのだけれども、３５歳まではお金儲けとかそういうことは一切考えないで、とにかく力を付けるためにひたすら考えて仕事をしろ、と言われたことがあって、それは本当にそうだなと思い、ずっとあがきました。

私も本当に貧乏生活をしていたとき、いずれは大きなお金を得てみたい、あるいは有名になってみたいという気持ちがありました。人の欲とか欲望とか、そういうことを善用していくのが、資本主義の基本的姿勢だと思うので、私はそれを否定しません。

ですから、私は３５までそんなことをいっても、いずれ３５を過ぎたらきっとそんないいことがあるのだろうなと思っていたのです。今から思うといいことというのは、実はお金を手にしたことは全然いいことではありませんでした。唯一良かったのは家族に対して、今まで苦労をかけたので、そのリターンができたのが唯一よかったということです。

本当によかったことはむしろ力をつけてクライアントの役に立てることであったり、社会的な役に立てることが、そういう力が身に付いたことが、私にとってはいちばん投資をしてきてよかったと思えることで、お金そのもので得られる満足感というのは私にはまったくありませんでした。

本当に満足感が得られるのは今でもお客様から「ありがとう」といわれることだったり、そういうことを「満足感を持ってGCAの仲間たちが生き生きと仕事をしているね」と言われると、私自身が言われなくても、仲間が生き生き仕事をしているとすごくうれしいし、そういったことが投資をしてきてよかったと思えることです。