モジュレ株式会社 パソコンなどの小型コンピュータに特化したシステムのアウトソーシング企業 モジュレ株式会社 会長 松村 明 

Vol.1 歴史

インタビュー内容

歴史

【松村】

前の会社で社長になる予定だったのです。新入社員の時は、新入社員の時というか若い時はそう思っていました。でもよく考えて大人になっていったら資本系列があって、親会社から社長が降りてきています。それで、社長になれないということがよくわかりました。

やはり、古い企業文化で、古い日本企業のグループなのです。印刷会社だったのですが。多少自分の肌に合わなかったと言いますか、一つは素晴らしいシステムがあるのですが、同時に全員に合うシステムではなくて、そうでないシステムの方が能力が発揮できる人が、自分も含めていっぱいいました。

そういう人たちと一緒に会社をやりたいという思いもあったことはありました。その2つくらいでしょうか。

【松村】

よく「社長になりたい」という人がいますが、私はそれは間違いだと思っています。間違いというのはそういう考えやエネルギーを持っている若い方でなくてもそうでない方も、そういう人の頭を抑えるつもりはまったくないのですが、社長というのは職業なのです。

別に生き様でも人生でもなんでもない、職業だから適していなければいけないと思うし、適している人がやればいいだけの話で、極端なこと言えばえらくもなんともないわけです。

責任範囲は大きいので、比較的高額な報酬をもらっているのは、事実ですが、それはあくまで仕事なのです。例えば政治家だったり、本来の意味での教育者であったり、身体や生命を守る意味で消防士さんであったり、日本にはいないですけど、軍人の方が特別に尊い職業ではなく、ただの職業なんですね。

それをあまり拡大解釈してほしくないし、私もそう思ってやっているので、経営者としての優劣を競って選ばれるだけだと思います。例えば起業をみんなでしましょう、というのはあっても良いと思います。3人でやったときに最初に声を上げた人やお金を出した人が社長というのは、間違っていると思うんです。

経営に適した人が社長になるだけで、企業の経営上の判断や仕事上の判断で、そう決めたのなら尊重すべきですけれど、別に敬意など払う必要性はないと思います。そんなことは仕事でやっていることですから、もっと敬意を払うかどうかは個人の資質ですよね。

会社の中に尊敬できる人は1人か2人はいると思いますが、別にそれは役職ではなく、他人なんです。

【松村】

共同創業者が3年目の2003年に亡くなりました。私は営業系の出身で彼は純粋な技術者でした。その時は本当にピンチだったのですけれど、でもおかげさまでどのお客様も契約を継続してくださって、契約解除みたいなことに至らなかったのです。

彼とは親友みたいなもので、あえて言わせてもらうと、凄い最大のピンチだったけれど、最大のチャンスにもなったんです。それ以降、会社をもっと組織化しようとか、属人性でなく、仕組みでまわしていこうとか、ハードワークはやめようとか、いろいろな事を考えるようになったので、そういう意味でも本当の意味でのピンチはそれくらいでしょうか。

価値観

【松村】

当社の経営理念は、細かく言えば経営理念ではなくて、共有理念だと思っています。共有理念、シェアードセンス(Shared sense)と言っています。違いは、経営する上で重要なことは、経営者サイドで決めて、みんなにわかってもらうのではなくて、「みんなのものとして、共有していくもの」シェアするものだと思っているんです。

それをたった一つだけ決めていて、それは「責任ある自由の共存」という言葉です。一言で言うと本当は「自由」としたかったし、創業期はそう決まっていたのですが「自由」というのも、誤解されがちな言葉なので「責任ある自由」にしたんですけど、それでも会社だからお互いの自由を損なわない、お客様の自由を尊重する、社会的な弱者の自由を守るとか、そういうものがあるので、それぞれの責任ある自由が共存している状態であれば、相手の自由を侵していながら共存できている、ということがたった一つだけあるんです。

背景には、垂直命令型の組織というのは、すごく有効に機能していて、18世紀、19世紀、20世紀と続いてきた一つの軍隊もそうだし、企業もそうだったのですが、非常に優れているわけです。それはそれでいいと思っています。

先進国と呼ばれている経済発展が著しい国ではないところで、もし私が会社組織を作ったら、たぶんそういう組織を作っていると思います。なぜなら、その方が機能しますから。ですが今は21世紀に当社ができているんです。1999年に創業して、実際は2000年から活動しています。

21世紀になって、日本のような先進国ではそういった垂直命令型の企業は飽和してしまっていて、能力ややる気がある素晴らしい方たちは、そういう組織が良かったらどこでも行けるわけです。選び放題なわけです。そうすると社会的にそうでない器の企業が良いと思ったし、そういう器の企業が1つや2つあってもいいし。

そういった自由に働きたい人たちが、大企業や出来上がったところではない、垂直命令型ではない企業の方が来やすいですよね。なぜその企業を選ぶのかというと、その理由として、大手に行きたい人はそちらに行けばいいし、きっちりできていて機能している企業ですから。そうではないところで働きたい人は当社だけではないけれども、そういう企業に来てのびのびとやってもらえれば嬉しいなというところから、競争力や社会的意義や自分たちに有利等、そういうことから、このようにしたのです。

そうは言うものの、これはなかなか難しくて、自分を律して自由というものを、セルフマネジメント・セルフコントロールしてもらわないと、なかなか成り立たないので、IPO・上場も一つの成長であり、一つの方法ですが、その時に一般的な価値観というのは、取り入れざるを得なかったのですが、それはそれで悪いことではないと思っているのが現状です。

今は2割のユニークさと8割の常識を持っているような会社になりたいです。2割は絶対に捨てたくないし、8割は先輩たちが上手く運営してきたことを守りたいというのが実態です。

事業

【松村】

私どもの仕事は企業の情報システム部門、または情報システムの担当者が行っている仕事を、アウトソーシングさせて頂くものです。当然そこには日々社員の方々が行っている運用や維持管理といったものや、たまにシステムの購入や構築をして行くような仕事があります。

【松村】

我々は主に日々発生しきちんとこつこつやる業務を担当者になり代わってさせて頂くという分野に所属しています。多くのIT企業はシステム販売やシステム構築のビジネスが8割から9割を占めています。ここが基本的に大きな他社との違いです。

我々は日々のお客様の状況をよりよく知ることで、自分たちの仕事も上手く回り、当然お客様に対してもその利益を還元できたり、サービスが提供できるということがあります。

他のIT企業もどこかの会社のことを理解して、何かを販売したり構築したらまた次の会社へ行くのです。そしてまた次の会社でサービスを提供します。これは別に悪くはないのですけれども、お客様と長く付き合う中でいろいろな事を理解して、お互いの価値を高めていくことが、他社との最大の違いだと思います。

【松村】

もう一つは技術力という話がよくあります。我々もIT業界なので技術力は必要なのですが、主に物を作る技術力に集約されていることが多いと思うのです。車で言えば、良い車を作るためにメーカーがしのぎを削っているわけです。IT業界はもっと多くの数万社はあると思われるのですが、どうやって新しい製品を出そうかと思い、しのぎを削っています。

我々はそれをどういうふうに使うかという視点に立って、お客様と一緒に仕事をお受けしていて、我々は基礎技術とか応用技術を比較して、どう利用するか、これを「利用技術」とよんでいますが、将来的には我々はこの利用技術をもっと広く中小企業へ広げていきたいと思っています。

我々はおそらく上場企業の中で、最も少ないお客様数ではないかと思うのですが、お客様と定義している企業様が約70社あり、クライアント様と言って何年も継続的にサービス契約を提供させていただいているお客様が40社くらいしかありません。たぶんとても小さい数字だと思います。

その代わりそれらのお客様と毎月お付き合いをして、日々いろいろなお話をさせて頂き、サービスを行っていくというスタイルなんですけれども、やはりお客様数が少ないので、なかなかコストを限界まで下げられなかったり、中小のお客様が求めておられるサービスができなかったりということがあります。もう少しお客様の母数を増やして、全体のボリュームを大きくすれば、おそらく中小企業の方々が、ITを活用できないでいる現状をかなり打破して、協力もできてくると思います。

例えば3000台のコンピューターを導入する会社と30台導入する会社のパソコン1台のコストの差は膨大なのです。前者は一杯買うから安いわけです。でも本当は後者の会社こそ、大きい会社と対抗するためには、同じようなIT投資コストが必要となります。しかし、どんどん企業間のデジタルデバイドみたいなものが、開いていってしまうので、このパソコン30台の会社が100社集まると3000台になりますし、同じような調達コストに抑えることもできます。

また、同じような最先端のシステムが使えます。システムがあってコストをかければ安定させることもできます。ですから今までのようにオーダーメイド型で中堅企業、大企業の方たちに、小回りが利く良いサービスを提供するというサービスは事業の柱として続けていきます。それとは別にもう少しパッケージング化して中小企業様に安くて良い情報インフラを使って、本業を支援するというようなサービスを展開していきたい、これが我々の今の事業の大きなビジョンです。

キャリア

【松村】

結論は「幸せになってほしい」の一語に尽きるのですが、その幸せの形態が多様化していますので、それを自分で見つけられるような人になって欲しいです、私たちが会社・企業として別にその人の人生や生き様に、責任を持ちたくても持てません。

自分にとって何が幸せかということを定義したり、それに向かってトライしていく人たちの邪魔にならないで、力になれるような組織や仕組みルールを持っていたいというのが基本的な社員メンバーに望むことです。それが、我々が持ちたい仕組みなんです。

それが柔軟であればあるほど、多様性に対応していればいるほど、もちろん社会的な公正さを維持して、利益が出る仕組みであることが前提ではありますが、多くの人たちのさまざまなアイデアが出てきて、隣の人を見て「ああ、こういうやり方もあるんだ」と、教える達成感も出てくると思うのです。

私は働いているみんなの生き方を定義したくないので、自分で考えてほしいです。間違っててもいから一定の結論にたどりついて、頑張ってほしいし、幸せになってほしい、幸せな方向に向かって行ってほしいです、というのが社員への想いです。

【松村】

できれば、マネージャーは経営者も含めてなのですが、全員メンバーの選挙で選びたいです。そうすれば絶対に不平不満は起きないはずだと思っているのですけど、現実論としてはメンバー全員が、経営のことをわかったり、誰が適しているのかであったり、将来の方向性がわかっているようにしなけれはならないので。

現実論としても法律論としても無理なので、今の形態をとっていますけれど、なるべくマネージャーは選ばれる人であってほしいです。上から引っ張れる人ではなくて、下から押し上げられる人であってほしいです。

プライベート

【松村】

世界中を旅したいというのがあって、それは家族と一緒なのか、行きたくないというのであれば、途中途中で会うのか、細かいディテールは別として、人生の中で経済人として今44歳になるので、多くの時間を過ごしてきて、学生の時や若い頃に思っていたよりは、固い人生を歩んでいるつもりなんです。個人の感覚として。

もちろん責任もあるし、しばらくの間は社長をやり遂げるつもりだし、何しろこの仕事は面白いので、やり遂げるのですけど、その先の夢になりますね。それまではやるべきことが山積みだし、やり遂げたいと思っているので、その後に世界のいろいろな場所に行ってみたい、知らないところが山ほどあるわけですから。

日本や先進国や自由主義社会でこのスーツを着て仕事の話をしているのとは、また違う人たちや、環境にいっぱい会えると思うのです。心を豊かにしたいと思います。今の自分の中では明らかに豊かさが足りないです。ですからそういう事をしてみたいです。

【松村】

「天下泰平」という言葉があるんですけれども、それを去年まで座右の銘にしていました。今年からは少しバージョンアップして、「自由・商人・天下泰平」ということにしたんです。自由のお話しはしてきましたので、商人についてですが、いわゆる商売人としての誇りであり、納税とかそういうことも含めてきちんとやっていこうよ、という意味なんですけれど。

天下泰平がやはりずっと長く、若い時から思っていたことなんですが、一言で言うと平和な世の中ですね、ということです。若干緩んでいる人に対する揶揄としても使われるわけです。僕はこれすごく大事だと思っていて、日本に生まれてまず食べるものに困らない、身体的な危機に襲われる確率の極めて少ないわけです。

僕もそうだし、隣の人もそうだし、その隣の人も社会全体が一定の範囲でそうなっていて、この状態を甘んじてはいけない、甘んじてはいけないというよりも、感謝しない人が多すぎる、感謝しなくてはいけないと思っているわけです。

私は今ビジネスでどれくらいうまく行っているのかは分かりませんが、上手くいっているかいってないかに分けたら、たぶん上手く行ってると思います。大半はこの国でこの環境で、この安全を作ってくれたから出来ていることで、命の危険にさらされているところで、同じように危機に立ち向かいながら商売が出来たかというと、たぶんできないと思います。

出来たかもしれないし、やろうとはしただろうけど、出来たかどうかは極めてわからない、自分自身へのそういう揶揄も感謝の気持ちを忘れないことも、もちろんそういうことをないがしろにしている人たちとは、戦いたいと思っているし、今で言うと60歳くらいの方ですね、たぶん自分たちの人生を犠牲にしてこの社会を創ってきたと思うんです。

彼らは無条件にどんな人でも尊敬しているんです。よほど社会的にひどい事をしてきた人以外はですが。やはり自分の人生の一部を犠牲にしてでも、後世だったりみんなのために働こうという意識が明確に彼ら彼女たちにはあって「もうすごい」、こういうことを「尊い」と言うんだと思います。「尊い」というのは社長なんかでないのです。こういうことが「天下泰平」という言葉には含まれています。


社長プロフィール

氏名 松村 明
役職 会長
生年月日 1964年3月6日

会社概要

社名 モジュレ株式会社
本社所在地 東京都東京都港区芝五丁目25-11 ヒューリック三田ビル 2F
設立年月日 2000
業種分類 卸売業
代表者名 松村 明
従業員数 59 名
WEBサイト http://www.modulat.com
事業概要 小型コンピュータの導入段階・利用・廃棄に至るまでの様々な業務を代行する。
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