Vol.2 未開拓事業への挑戦
―未開拓事業への挑戦―
【ナレーター】
より大きなビジネスに携わりたいと思っていた三宅は、担当部署の異動を志願。その頭角を徐々に現し始める。
【三宅】
地方銀行とか信用金庫に、それなりに大きなシステムを提案して販売していくという部署で、ビッグビジネスが経験できるわけですね。ところが転部した時、「会計事務所から生意気なやつが来よったな」みたいな理由だと思いましたが、当時の部長から、「会計事務所から来たんやから、その知識を使って金融機関で売れる商品を1回つくってみろよ」と言われまして、腕試しをさせられることになりました。そこで、当時の人脈を辿って色々相談して、要は融資の判断をするシステムをつくりました。それが大ヒットしまして、そこでビジネスを立ち上げる楽しさ、自分で1からビジネスをつくっていく楽しさというのを知りました。
【ナレーター】
その後、愛知県の事業所長に就任。順風満帆ともいえる状況の中、三宅に大きな転機が訪れる。
【三宅】
ちょうど会計事務所時代の上司、営業課長だったのが 現会長の分林(保弘氏) なんですが、彼が仕事で名古屋に来ると、よく一緒に食事をしていました。その席で、「今度、会計事務所の先生方の要望でM&Aの会社をつくることになった」という話を聞いたのです。私も銀行に出入りしておりましたので、M&Aに関しては知っていたのですけれども、実際に中小企業のM&Aというのはまだほとんど前例がない時代だったので、それを聞いてびっくりしましてね。でも、びっくりすると同時に、「面白そうやなあ」と思ったのです。そこで、「ぜひ私も参加させてもらえませんか?」と言ったら、「ああ、ちょうどいいわ。1人で全国をカバーするのは難しいから、じゃあ三宅さんは西日本をやってよ。私が東日本をやるから」という話になり、参加させてもらった。それがちょうど38歳の時です。
【ナレーター】
当時はまだM&Aという言葉自体、中小企業に浸透していなかった中でのM&A事業への挑戦。苦労があった反面、未開拓の事業をつくり上げる楽しさもあったという。
【三宅】
「M&Aをしませんか」と言っても何のことかわからないし、「会社を売りませんか」では「身売り」とか「乗っ取り」というイメージになってしまう。だから、「ハッピーリタイアができるのです」という正しい認識で啓蒙していくのが、まず1つ、すごく大変でした。もう1つは、何もノウハウがない。今でこそ、書店に行くとM&Aの本があふれていますが、その当時は本当に数冊しか出ていませんでした。ですから、「基本合意契約書を締結する」と書いてあっても、その基本合意契約書がどんなものかが分からないわけです。買収監査にしても、それをどのような手順で行えばいいのか、中小企業に対してはどうあるべきなのかということは、どこにも書いていないという状態です。それを一から自分たちでつくり上げていく。それがまた非常に楽しい作業でしたね。
経営者プロフィール
氏名 | 三宅 卓 |
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役職 | 代表取締役会長 |
生年月日 | 1952年1月18日 |
出身地 | 兵庫県神戸市 |
会社概要
社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
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本社所在地 | 東京都東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 鉃鋼ビルディング 24階 |
設立 | 1991 |
業種分類 | サービス業 |
代表者名 |
三宅 卓
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従業員数 | 258 名 |
WEBサイト | http://www.nihon-ma.co.jp/ |
事業概要 | 中堅中小企業を対象にした友好的M&Aの支援 |