RIZAPグループ株式会社(旧健康コーポレーション株式会社) CMでお馴染みの『ライザップ』を展開する、急成長ヘルスケア企業 RIZAPグループ株式会社(旧健康コーポレーション株式会社) 代表取締役社長 瀬戸 健　 (2013年6月取材)

―事業―

【瀬戸】

RIZAPにこれだけの方が入って頂いているのは、その価値を認めて頂いているからだと思います。

自分の自信を補完するというよりも、本当に自分に自信が持てるような体になって、自信を付けて、ビジネスをされている方であれば、毎日たるんだお腹を見るのではなく、引き締まった体で胸板がしっかりしていて、そういう毎日を過ごした方が楽しいという、お金には換えられないものを心が望んでいるからだと思います。

提供している商品は筋トレでも何でもなくて、別にお客様は筋トレをしたいわけでもないし、痩せて自信を持ちたいと思っているので、提供している価値は、普通のスポーツジムとは全く違うのです。

お客様が求めているのは何かというと、やはり「痩せたい」というのが一番だと思います。我々がそれから逆算した時に、普通のスポーツジムにいるトレーナーとはまったく違うスキルが必要とされていて、お客様は2ヶ月間で痩せたいと思っているので、それをかなえられるトレーナーというのが、一番良い品質、求められるスキルだと思います。

ですから筋トレのスキルというよりは、カウンセリングの能力やコミュニケーション能力であったり、相手を思いやれること、お客様の気持ちがわかるトレーナーであったりとか、そういったスキルが8割方占めてきます。

1ヵ月に1度すべての店舗を閉鎖してトレーナーを全員全国から集めて、朝9時から夕方の6時まで、生理学、栄養学、コミュニケーションから心理学まですべてを、国から実力のある講師陣をそろえて教えています。そういったことを通してトレーナーの品質を高めていって、かつ我々が提供しているものは何なのかと、それは筋トレでもダイエットでもないですよと。その先にある、痩せて、いろいろなコンプレックスを持っている方が自信を取り戻したり、輝きたいという夢をかなえること。そういったことを我々は提供してサポートしているのですよ、ということを何度も何度も言わないと、分からない部分があります。

我々は一流のトレーナーではなく、超一流のトレーナーを育てていきたいと思っています。そのようなことを目標にしています。

アパレルの服とかもそうなのですが、ある意味自分に自信が持てるようなもの、人生をこの瞬間楽しめると、我々が考える健康というものはそういうことなので、先程言った無形のものですね。アパレルの服もそういった考え方に乗せた自分に自信が持てる、誇りが持てる、そういったものに焦点を当てています。

実は自分投資というものに関しては一貫性があると思います。そういう意味で、ダイエット、健康食品、RIZAP、アパレル、全部自分投資の事業の領域です。そういったものを通して、二度と戻らない時間をどれだけ楽しく、いきいきと生きてもらうかということにおいて、すごく重要な要素だと思っています。ですからそこですべて一貫してつながってはいます。

今まで男性向けの自分投資という、例えば美に対する市場というのは、これから伸びてきますよといいながら、実は女性と男性向けの自分投資市場は桁違いでした。RIZAPに関しては、はじめて男性向けの市場、男性が反応するものができたと思います。これは新しい市場が開拓できているのではないかと思います。チラシやウェブ、看板を見ても男性が反応してくれます。

もちろん女性も反応してくれますが、そういった意味ですべての方たちが自分自身を変えてくれるサービスではないかと、感じてもらえる大きな領域ですので、そこに向けては男性の新しい市場ができたと思っています。

例えば、美顔器の『エステナードソニック』はグループのジャパンギャルズから仕入れて、ジャパンギャルズで自力で販売していた頃に比べると10倍くらいの売上になっています。

普通の美顔器で何万もするものでもなくて、980円という、どなたでも手に取って買える値段のものに新しい価値をつけて、手軽にどの女性の方もお使い頂ける価値の提案を行っています。我々がはじめて、他の会社ではできないことをやっていくことで、市場が広げられるということがあります。

M&Aをした会社もそうですし、新しく事業を立ち上げた会社とか、健康フードサービスという糖質制限食にこだわったレストランもオープンしました。またそこでRIZAPとのシナジー、RIZAPのお客様が糖質制限を主体として健康にこだわったレストランに、RIZAPを続けながら通って頂く。そういったことも行っていますので、グループのシナジーはどんどん出てきていると思います。