Vol.2 価値観
価値観
【清原】
業界は僕が最初に理想を掲げた「客付けに強くなる、テナント付けに強くなる、リーシングに強い会社」。同じ意味ですが。こればかりをやっている会社があるんですね。それを業界では客付け不動産といいます。客付け不動産とは何かと言えば、一番身分が低いような人たちなんですよね、不動産業界でいうと。
一番偉いのは不動産屋でいうとビルをいっぱい持っている大家さん、これも不動産業なので。次に元付けさん。この人を通さないと借りられないと。要するに牛耳っている。この人が偉い。ここには不動産の管理だけをやっているような会社もいればテナント付けも少々しながらやっている、大変な仕事なんですけど、エリアを絞れば絞るしかない。各地域地域にそういう優秀な不動産屋さんがいる。
細かく言うとサブリースなどいろいろあります。管理だけをやっているとか。でも客付け不動産というのは一番身分が低い。初めて会社をやるときにそんなことは何も思わなかったのですが、事務所を借りるときに元付けさんというのが出てきて「ところで不動産屋やるんですよね、何やるんですか?」「はい、テナントいっぱい見つけて、テナント付けして頑張ろうと思っています」と。
それこそが一番喜ばれる仕事だと思っていましたから当時(仕事を)始めるとき。不動産屋のこと知らずに。そしたら元付けさんの女性の営業の方ですが、「あぁ、客付け不動産ね」とバカにするようにぼそっと言ったのを覚えているのですが、「なんだ、客付け不動産っていうんだ、そういうの」と思いながら、その意味がわかるのに数ヶ月。客付け不動産こそが偉いんだと。
【清原】
途中では2年くらいしたらだんだん分かってきて元付けの仕事も大事なんですね。客付け不動産というのが身分が低いというのはきちんとやっている客付け不動産は元付けに変わっていくんですよ。ところが客付け不動産しかできないやつは客付け不動産のままなんですよ。要するにテナント付けしてその後、細かいトラブルとか細かい作業がいっぱい出てくるんですね、何かあった、ガラスが割れたとか、水が漏れてきたとか。そういうのを細かく対応しない人は客付け不動産屋なんです。手数料をもらったら逃げるようなやつ、とも言えるというくらい責任が少ないんですね。元付けさんというのはずっと付き合う。ある時、解約や滞納が始まったりするとそれも解決しないといけない。
だから元付けさんというのは大変な仕事。前は「テナントも連れてこないで座ってふんぞり返って何だ」と思っていたのですが、そうではないのだなと途中から分かってきました。その元付けの気持ちが分かる、だんだん自分たちも元付けになってくる。それでちょっと半人前なんでしょうね。
【清原】
生き残っていく上ではどうだろうというと、ふんぞり返っているわけではなくて、走り回らなくてもやれるように管理物件が増えたんです、その人たちは。僕たちも管理物件を増やそうと。だから収益的な意味での生き残りでいうと管理物件とか今サブリースもやっているのですが、毎日営業マンが走り回らなくても収益として落ちてくる、それを今増やしています。
【清原】
これがわれわれのいったんここから向こう5年とか10年の1つの成長のカギだと思ってIRでも投資家にそれを訴えています。ひいてはビルまで買って賃貸業へもきちんと進出するというところまでやはり手法は古いですが、いったんそれをやろうと思って今やっています。
それだけが生き残る道になってしまうのは、僕の最初の異業種から来て少しでも一石投じたいなと思ったようなつもりでやってきたので、管理とビルまで買ったことが最後の清原の行き着いたところだというのはちょっとしゃくだなと思っています。ただ今そんな余裕はないので、いったん業績を右肩上がりにする。何期ぶりに増収増益になったかというくらい一回は落ち込んだ。2006年以来くらいの増収増益。小さいながらもですね。しばらく増収増益を作るにはその間にサブリース、または一部ビルを買うといっていますので、その3つをやってまずはV字に回復させることがひとつですが、たぶんその中で見つかるのかなと思っています。なので明確な答えは出ていません。
【清原】
ちなみに情報の透明化、効率的マーケットの創出というのはこれはほぼ似たような話なのですが、株式市場みたいに出来高があったり、売買市場、取引所みたいなそういうものが不動産にもできないものかなと思っています。それができないというのはすぐに分かったのですが、自分だけでもまたは自分のグループだけでも、それが簡潔できないかと思っています。
一番行き着きたいのはそこだと思っていますので、業界に古い人ほどそんなことできないとよおっしゃるかもしれないですが、もう一回V字に回復させた後、そういった余裕ができたら最初に思っていたその理想の、情報の透明化の上での効率的マーケットを作るという部分をやりたいなというのはあります。
経営者プロフィール
氏名 | 清原 雅人 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1967年2月2日 |
座右の銘 | 『雪に耐えて梅花麗し』 いつも雪に耐えている人生だから |
愛読書 | 四季報 |
会社概要
社名 | 株式会社エリアクエスト |
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本社所在地 | 東京都東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー7階 |
設立 | 2000 |
業種分類 | 不動産業 |
代表者名 |
清原 雅人
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従業員数 | 38 名 |
WEBサイト | http://www.area-quest.com/ |
事業概要 | テナント誘致事業部、更新及び契約管理事業部(売買仲介部門含む)、ビル管理事業部(サブリース事業部門含む) |