カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 ~『TSUTAYA』創業者が明かす“ライフスタイル創造論”とは~

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プロローグ

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長 増田 宗昭 (2013年10月取材)

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―プロローグ―

【齋藤】

本日は、TSUTAYAまたはTポイントで大成功を収めていらっしゃるカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田社長・CEOにお時間を頂戴し、創業時から今日までどのように変革を遂げてきたのか、その度にどういう決断をされてきたかということをお話し頂きます。早速ですが、この本社のすぐそばにある代官山の蔦屋について。もう今や知らない人がいないくらい大繁盛しており、いわゆるTSUTAYA分野の一つの集大成みたいな感じがするのですが…。

【増田】

代官山の成功とよく言われるのですが、僕は成功を目指してやったのではなく、やらないといけないと思ってやったんです。30年前に若者にライフスタイルを提案するために始めたTSUTAYA。だけど30年経ってみると団塊の世代が60代になって、若い人たちがどんどん減る構造になっている中で、このままではたぶん収益は減っていく。

一方レンタルを中心にやってきましたがそれも配信という時代を控えてなんらかのソリューションを出し、新しいビジネスモデルに転換しないといけない。この2点のことから代官山をやらなくてはいけないと思ったんです。そういう観点で考えた時に店名もTSUTAYAという若い人に支持される店名ではなく、どちらかというと60代の人に支持されるクラシックな「蔦屋書店」。それからレンタルにあまり依存度を持たない新しいパッケージとして本とカフェ。ということに軸足を置いてどのぐらい収益のポテンシャルがあるのかということを試さざるを得なかったというのが正直なところです。そういう意味では前者のプレミアエイジ(60代の団塊の世代)についてはお客様の数がどんどん増えており、本の売上も前年比で伸びています。レンタルの軸足からBOOK&Cafeみたいな軸足への切り替えをやってもいいのかなという答えが出たという点では成功と言えるかもしれません。

【齋藤】

この建物はコンペで採用されたんですよね。

【増田】

まず建物としてシンボリックなものをしないと、目が肥えた代官山のプレミアエイジの方々を書店へ呼びこむ事ができませんので、地域に対する貢献という意味も込めて美術館のような建物を作る事を考えました。そのようなものを作るスキルは当社にリソースがありませんので、色々な方が手を上げてくれる事も期待し、コンペをする事を決断しました。

【齋藤】

T-SITEは、その空間にいるだけでも楽しい、そこにいることが一つの価値を生み出している…というような感じですが、これも増田さんの構想の中で期待していた部分ですか。

【増田】

僕は、どうも今は小売店・プラットフォームと言われるものがオーバーストアになっていると思うんです。こういうオーバーストアの時代では、物を買うという行為のためだけではなく、行きたくなる空間というものを実現した時にしか人は店に来ない。なので、僕はお店を作ってはいけないと思ったんです。

おうちを作ろう、店的要素はすべて外そう、と。また、T-SITE全体で、上質な時間を作ろうと考えたんです。風が抜けて、においがして木の香りがしてお日さまも当たって影もでき、商売っ気が何もない。神社の参道に似た、本当に神聖な気持ちになれる空間と時間。それを実体として作れないかと思ったんです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 増田 宗昭
役職 代表取締役社長
生年月日 1951/1/20
出身校 同志社大学経済学部

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