カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 ~『TSUTAYA』創業者が明かす“ライフスタイル創造論”とは~

Vol.5 イノベーションを起こす立ち位置

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長 増田 宗昭 (2013年10月取材)

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―イノベーションを起こす立ち位置―

【齋藤】

ずっと伺っているとやっぱりキーワードは企画、あるいは企画会社ということなんだろうなと思うのですが、ゴルフなどで移動する時でも帰りの車の中で画用紙に企画をずっと書きまくっておられる。要するに自分の頭の中に浮かんだことを形にして検証しながらどんどん大きくしていくというような、それが非常に楽しみで、生きている証みたいだと考えているのでしょうか。

【増田】

僕が企画屋を選んだということは、つまり事業会社をしないということなんです。なぜ事業会社をしないかというと、事業会社をやってしまうとお客様と商品が固定しているのでどうしても改善に走るんです。すべてその接点にエネルギーを集中し、そこにとらわれるんです。基本のものがあってそれを守らなくてはいけないから、頭が全部そっちへいってしまう。それをやっていれば儲かるので、それ以外のことは考えなくなる。現状肯定にどうしてもなってしまう、あるいは修繕改善になってしまう。

ですからイノベーションといわれることというのは、事業にとらわれない立ち位置を維持する事が大事です。例えば僕は本屋のプロではないですし、30年前はファッション屋、その前はベルコモンズという商業施設の不動産屋です。そういうふうに、イノベーションをやった人というのは業界外の人が多いのではないでしょうか。このように、事業をやらない立ち位置を維持し、なおかつその事業の情報をいただけるような接点を持つために、Tカードで事業会社の人とも接点を持っておく。その中でいろいろアイディアが湧いてきますので、そのアイディアを形にしてお金に変えていく。その提案する時にできるだけイノベーションを提案して世の中にも貢献するし企業の収益にもお客様の満足にも貢献する。そんなことをしたいなと思っています。

【齋藤】

企画をやっている中でも、自分が以前にやった企画にとらわれないでやる。増田さんは時々、守破離という言葉を使われますがそれはそういう考え方からきているのですか。

【増田】

とある人に「お前の考え方は守破離に似ているな」「企画というのは守破離の離だね」と言って頂いた事があります。

1983年に僕はTSUTAYAを始めたんですが、その頃はロードサイド型の本屋さんのピークだったんです。昔、大多数を占めていた駅前の小さな本屋さんを守だとしたら、ロードサイド型の店舗は破。従来の売り方ではなくて違うやり方でやったので破なんです。ところが僕は「本を買う人は本を買いたいのではなく本の中にあるライフスタイル、生き様を見たいんだ」と考え、だとしたらロードサイドではなく、ライフスタイルを選ぶということで本を売った方がいいのではないかと考えたんです。それはまさしく本屋業界の常識からは離れている。そういうことがなかなか本屋の中だけに居たら思いつかないので、この「離」をあらゆる業界で出していける会社になりたいなと思っています。

社長プロフィール

President's profile
氏名 増田 宗昭
役職 代表取締役社長
生年月日 1951/1/20
出身校 同志社大学経済学部

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