カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 ~『TSUTAYA』創業者が明かす“ライフスタイル創造論”とは~

Vol.4 ENEOS社長室で誕生したTカード

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長 増田 宗昭 (2013年10月取材)

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―ENEOS社長室で誕生したTカード―

【齋藤】

もう一つ、大きな分野としてTポイントがありますがこれはどんな時に閃いたのですか。

【増田】

TSUTAYAの会員証と言われるものが1千万を超えた時には「1千万枚すごいな」とは思ったのですが、日本の世の中に1千万枚を超えるカードというのはいっぱいあったわけです。しかし、2千万枚を超える時になったときにはちょっと他にはあまりない。そこで、この2千万枚のカードは価値があるのではないかと考えました。

もう一つ考えたのは「会員証」と言っているが顧客を中心に考えたときにTSUTAYAでレンタルができるカード、銀行でお金を借りるカードというふうに使い分けているだけで、軸はお客様だと考えた時に、TSUTAYAでレンタルできるだけのカードっておもしろくないなと。かたや財布の中にはいろんなポイントカード。エコ、エコと言っているのに各社がお客様を囲いたいと言ってクレジットカードを一人のお客様に持たせたらこれは全然エコではないしお客様も囲われたいと思ってないし、おかしいと。お客様中心に考えていちばん便利なカードを作るべきだと思ったんです。

ではどういうものが顧客価値があるかというと、少なくとも2千万人のTSUTAYAのお客様はレンタルできるということで、価値がありますからその人たちは捨てずに持っている。そのカードをベースにいろんなところでポイントが貯まる。それからクレジット機能がついているというものができたらこれはお客様に喜ばれるのではないかと思って、一番最初にENEOSの渡社長のところに行ったんです。

僕は、僕らには既に2千万枚にもいきそうな勢いのTSUTAYAの会員がいて、その83%ぐらいが車で来られている事を伝えました。ということは2千万人の8割、1600万人の人はガソリンを入れなくてはいけない。その時にポイントが貯まれば喜んで行きますよと。新しくカードを発行して、その人たちが来たらポイント付与なんてことをお金を掛けてやらないで、すでにいる2千万人にポイントをつけてくれませんかと言ったんです。渡さんは「本当に来るのか」とおっしゃるので、それはお客様の立場で考えてくださいと。TSUTAYAでいくらレンタルしてもポイントはそんなに貯まらない。だけどENEOSで一回入れたらものすごくポイントが貯まる。これは行かないわけがない。そういう話をさせてもらったら、渡さんが「じゃあやろう」と。その一瞬でTカードが生まれたんです。ENEOSさんは当時から一番でしたから、ENEOSさんが参加したということでみんな安心して参加してくださり、今は加盟会社が104社になりました。

【齋藤】

TポイントカードやTSUTAYAビジネスの共通の発想として、初期からデータベースをたくさん使っておられ、それを今後どういうふうに生かしていくかというのが大きな企画の財産になっているのかと思います。

【増田】

企画会社として僕は2つのことをやろうと思っているんです。その1つはお客様に支持されるプラットフォーム。それからプラットフォームの中でお客様に提案できるエンジンや仕組み。TSUTAYAを始めた30年前はお客様もライフスタイルを探しているので僕らは探しておられる生活提案を本やCDやDVDやゲームのなかで選んでもらえる環境を作ったんです。

自分が求めているライフスタイルや生き方というのは実は自分で分かっていない。だから探している。その人の未来を予測し、その未来に対して必要なものをレコメンデーションする。そういう生活提案があってもいいのではないか。この人はきっとこういう情報を求めているはずだというのを探し出してそういうものをマッチングできるようなそういうビジネスってありじゃないかと考えて、そういうビジネスに取り組んでいきたいなと思っているんです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 増田 宗昭
役職 代表取締役社長
生年月日 1951/1/20
出身校 同志社大学経済学部

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