Vol.2 構築
インタビュー内容
―構築―
【齋藤】
いわゆるBtoBのアスクルの本来の事業のところ、これを分社されてやっていくようになるのですが、最初はカタログでずっとやってきたわけですね。その時に従来の代理店を主としてお使いになるということをやられるわけですね。
【岩田】
オフィス用品をやっていく段階で、アスクルのスタイルはBtoBなので、このBtoBのお客様が必要とする要件として、掛売りという、1ヶ月経ったら請求書をお出ししてその請求書の内容をチェックして、お金はあとで払うというBtoBの習慣が一つあり、しかもそれを元々中小事業所の方々に新しいオフィス用品を売って、しかも掛売で売ろうということになると、東京にいて全国の中小事業所の与信というのはできるわけがないので、ではその地域のお客様を誰がいちばん知っているかというと、一つは我々がスタートした文具業界の中の文具店さんというのは、すごくまじめな気質でこつこつ地域に貢献なさっていて、駅前でお店を構えられている。信頼も高いし、まじめなみなさんなんですね。
こういう方々が、「このビルに入っている会社だったら安全だね、あそこの会社はもうこの地域で有名なところだから安全だね、だから自分たちが与信をしましょう」ということで我々に変わって開拓いただくことと、お客様に対して与信をしていただくとこの2つの機能をそのエージェントさんという販売店特に文具店の皆さんにお願いしたんです。ただ商品を入れて商品を運んでくださいとなるとご都合で物が届かないとなってくるので、時間もかかってしまう。お客様にとって必要なカタログを作って値段を決めて、そして約束通り明日ピッキング、パッキングしてお届けするというところは全部アスクルがやりますと。我々の機能の中のお客様の開拓とお金の回収はエージェントさんお願いしますと、この間でバーチャルな一つの会社の直販モデルのようなもので、それを機能で分けたんです。
業界でお世話になっていたから、義理でここでお金を落とすということではなく、それは社会最適と呼んでいるんです。社会から見た時に最適なモデルということで、BtoBにおいては地域にあってお客様のお世話をする窓口が必要で、大規模なオペレーションは集約することによって規模の経済が効いてくるので、カタログを作ったり物流センターを作って配送したりするのは全部我々がしますというバーチャルなダイレクトモデル、従ってバリューチェーンはすごく短くて、デルと同じような直販モデルと同じなんですが、機能をちゃんと分けて機能にふさわしいお金をそれぞれに落とすというそういう思想でエージェントモデルというのを作りました。
【齋藤】
大企業ではない、そこからちょっと外れている中小企業というものに、それによってぐっと大企業と同じようなサービスを提供できるという。
【岩田】
もともと中小企業に大企業以上のサービスを提供したいというのがBtoBの方のスタートなんです。というのは、大企業は従来から出入りの業者さんが、どちらかというと滅私奉公的なフルサービスを提供なさっていると。でも中小企業になると、会社の方が勤務時間中に店に買いにいって文房具を買い、お菓子やお茶を買ったり、お買い物のために1時間2時間、時間を使わなくてはいけない。お水とか買うと2キロ4キロの物を持って帰ってくるとそういうことをしなくていい、新しいサービスは需要があるのではないかと。中小事業所のためにスタートしたんです。

経営者プロフィール

氏名 | 岩田 彰一郎 |
---|---|
役職 | 元代表取締役社長兼CEO |
生年月日 | 1950年8月14日 |
会社概要
社名 | アスクル株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都江東区豊洲3-2-3 豊洲キュービックガーデン |
設立 | 1963 |
業種分類 | 小売業 |
代表者名 |
岩田 彰一郎
|
従業員数 | 3,687名(連結 2024年5月20日現在) |
WEBサイト | http://www.askul.co.jp/kaisya/ |
事業概要 | オフィス用品配達で先駆、ヤフーと個人向けEC「ロハコ」等で連携。 |