マイクロ波化学株式会社 ~「化学産業不変の100年」を変える、元商社マンの挑戦~

Vol.4 100年変化の無い産業を変える同社のビジネス

マイクロ波化学株式会社 代表取締役社長 CEO 吉野 巌 (2016年6月取材)

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-100年変化の無い産業を変える同社のビジネス-

【吉野】

当社の事業は、電子レンジに使われているマイクロ波を化学品の製造プロセスに使っていく、化学品メーカーにこのプロセスを売って事業化していこうというのが当社の事業です。電子レンジって実は70年くらい前からあって、非常に家庭では便利なものですが、なかなか大きくすることは難しくて、科学とかものづくりの世界では実用化されていませんでした。

私自身がそこにチャレンジして成功し、実は2014年に世界で初めての大型の工場を建てることができました。これによってマイクロ波でものづくりができるんだ、大規模なものづくりができるんだということを証明することができて、この技術を色々な化学メーカーに使っていただこうということでやっています。

化学産業そのものはなかなか、これは皆さん理解しにくい産業ですけれど、中間原料を色々なメーカーに供給している産業です。例えば、スマートフォンも化学メーカーが部材を提供していますし、飛行機もそうですし、洋服もそうですし、靴もそうだということで、我々の身近な生活を裏で支えているような産業なんですね。これをマイクロ波で変えていこうというようなことを考えています。

この産業そのものは、実は100年以上ほとんど変わってないのですね。熱と圧力でものをつくっていくためにエネルギーがいるのですが、間接的に全体を暖めて、全体にエネルギーを伝えて、ものをつくっていきます。マイクロ波というのは分子に直接エネルギーを伝えることができるので、間接的に全体にエネルギーを伝えるのではなくて、伝えたい分子や物質に直接エネルギーを伝えることができますから、非常に効率が良くて、省エネで、品質も良いものができると。これを100年ぐらい変わっていなかった化学産業に使ってもらおう、事業化しようというのが意図です。

ですから、何をつくるかではなくて、どうやってつくるかというところに、当社はフォーカスした事業です。逆に言うと適応ラインが非常に広いです。1つのものをつくって、事業化しましたではなくて、非常に幅広いものをつくれるプロセスなので、一説には化学産業は世界500兆円位の売り上げがあるといわれていますから、市場としては非常に大きいですね。こういう重厚長大の産業は、化学もそうだし、車もそうだと思いますが、なかなか変えていくのが難しいといいますか、レガシーシステムがあって、過去、何百億円、何兆円もの投資をしてきているわけですよ。そこに携わっている人が、何万人も、何百万人もいて、そういう産業に、全く過去から不連続な技術を投入しようというのはかなりの力技ではありますよね。

当社としては今年度、太陽化学というメーカーと一緒に食品添加物の工場を四日市に合弁で立ち上げます。それ以外にもいくつかプロジェクトがあって、今年から来年にかけていくつか立ち上がる予定ですが、基本的には付加価値の高いものを中心に今は攻めています。

付加価値の高いものというのは、基本的につくるのは難しい場合が多いので、そのつくるが難しいところにマイクロ波を使って、比較的簡単につくれますとか、あるいは付加価値の高いものをさらに品質を良くして、より高価値にするとか、そういったことができます。そういう意味では、なかなかマイクロ波の導入そのものにハードルがある状況においては、付加価値の高いものから今は少しずつ実現化していっていると。

少しずつマイクロ波の工場が立ち上がってくれば、本当にそれがつくれるということで認識も変わってきますから、一気に導入が進むのではないかと考えています。会社を立ち上げるという部分もありますが、産業を立ち上げるということもあります。マイクロ化学という産業を立ち上げる。そのためには何社もそこに出てくる方が、業界、産業としてはより栄えていくと思いますので、そういう状況があってもいいですよね。

当社は今のステージはプロセスを広めていこうというステージになりますので、事業化するに当たって、基本的には単独でできないと思っています。ですので、パートナーシップ、提携をしながら事業を広めていく必要があるので、そこは化学メーカーを中心に、どれだけたくさんパートナーシップを組めるか、どれだけそれを実際にお互いに前に進めて、本当の意味でWIN-WINの関係ですよね。当社にとってもいいですが、お客さんにとっても非常に良いという関係をつくれるかがカギだと思っています。

社長プロフィール

President's profile
氏名 吉野 巌
役職 代表取締役社長 CEO
生年月日 1967/7/19

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