Vol.2 家業を成功させた3つの理由
インタビュー内容
―家業を成功させた3つの理由―
【大久保】
海外に行く間際に結婚をして子供ができました。旅立つ頃には生後6ヶ月で、預けていかなくてはいけませんでした。
そこで両親に子供の面倒を見てもらうようにお願いをしました。元々は米屋を継ぐつもりはなかったのですが、子供の面倒を見てもらう代わりとして帰国したら米屋を継ぐこと、そして継ぐからには日本一の米屋にすることを約束して海外へ行きました。
そのため、海外にいた2年間は現地で学びながら、どうすれば日本一の米屋にできるかということをずっと考えていました。そこで出た結論は米だけを売る商売ではなく、米屋の持っている機能を活かして展開していく必要があるということでした。
そこで私は「御用聞き」と「配達」という米屋の機能に目をつけ、これを活かした配達スーパーというチェーンをつくろうと考えました。米屋の若い経営者さんに集まっていただき勉強会を開き、配達スーパーチェーンをつくりました。滑り出しからお客様には好評で米屋の機能を活かしたビジネスはどんどんネットワークを広げていきました。
その当時全く新しかった化学雑巾の『ダスキン』は、お客様にとって雑巾にお金をかける習慣がなかったこともあり、いくら商品があっても売れていませんでした。そこでネットワークを持っていた私たちと提携し、ぜひ売ってくれないかと言われまして、私どもは配達スーパーとしてお客様に喜んでいただいていたので、世界で初めての化学雑巾を売っているので、ぜひ試してください、とお客様に直接お勧めをしたところ、もともと築いていたネットワークの効果もありサンプル商品も含めどんどん流通していきました。
その当時の米屋のビジネスでは食料管理票に基づいて一軒一軒の家がそれぞれの米屋と登録を結んでいました。浅草の米屋の顧客の範囲はここのエリアまでというように決められていたのです。自分の顧客に配達スーパーのチラシを配り登録してもらうことはできますが、それでは限界がありました。
お米以外の商品も売り始めると顧客が足りない状態になってしまいます。そこで他の顧客のエリアに売り込みに行ってみたりもしましたが地元のお米屋さんから猛反対を受けてしまい、BtoCビジネスでは顧客開拓が難しいと悟りやむを得ず業務用に焦点を当てBtoBビジネスへと展開していきました。
まず自分自身第一線でやる、ということをやってきました。実際に業務用の商品の事業を進めていくと製販直結した大手の会社というのは、ある一定の規模の魅力的なお客様がいらっしゃいましたが 小さく事業を展開していない会社を相手にしていないことがわかりました。
そこで私は大手が開拓していない小口のお客様を獲得していけば十分な市場を獲得できると考え、そこに営業活動を行っていきました。他のダスキンのチェーン店は家庭用を扱っており、業務用は扱っていなかったので私たちがいち早く参入し、家庭用より単価の高い商品で新たな市場を開拓していきました。
成功したもう一つの理由としては拡販する際の組織づくりがありました。長期休暇中に学生アルバイトを雇いダスキンの商品のサンプリングを投入する作業をしてもらいましたが、その中で営業力がありそうな学生をピックアップして商品販売に貢献してもらうという仕組みを作りました。
この、学生さんに長期休暇に来てもらって優秀な人には営業をやってもらうという仕組みが上手く回りました。“商材”“マーケティング”“組織化”が上手くいったことで自分だけでは出来なかったことがどんどん出来るようになり成功につながりました。

経営者プロフィール

氏名 | 大久保 真一 |
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役職 | 元代表取締役社長 |
生年月日 | 1941年3月21日 |
会社概要
社名 | 株式会社ダイオーズ |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-7-12 東京駅JRサピアタワー14階 |
設立 | 1969 |
業種分類 | サービス業 |
代表者名 |
大久保 真一
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従業員数 | 1,674名 |
WEBサイト | https://www.daiohs.com/ |
事業概要 | パイオニアとしての事業所向けコーヒーサービス事業、数種類のお茶やコーヒーやお水を1台のマシンで提供できるティーサービス事業、世界中で最も安全・安心な水「ピュアウォーター」をメインとしたボトルウォーターサービス事業、玄関マット・清掃モップ等、環境衛生商品の定期的な交換及び、サービスの提供を行うクリーンケア事業、熟練された技術を持ったFCオーナー自らが定期清掃サービスを提供するダイオーズカバーオール事業 |