Vol.3 アメリカ進出を成功させた10年
―アメリカ進出を成功させた10年―
【ナレーター】
ダスキンの加盟店で日本一になった後、独自のビジネスを展開しようと考えた大久保。BtoBの継続性の高いサービスで成長の基礎をつくり、その次のビジネスとしてスタートさせたのが、日本で初めて事業化したオフィスコーヒーサービスだった。
【大久保】
コーヒーサービスはもともとアメリカ、ヨーロッパでは当たり前のことですが、日本ではその当時はお茶の世界で、コーヒーが好きな方はせいぜいインスタントコーヒーの時代でした。そうですけど、アメリカ、ヨーロッパでそこまで定着した事業であれば、必ず日本でも成長するだろうと。なおかつ私どもがコーヒーサービスをスタートする前の4、5年前でしょうか、マクドナルドがスタートして、アメリカンコーヒーというのが非常にファッションになってきた。必ず、インスタントコーヒーではなくてレギュラーコーヒーを皆さんが飲む時代が来るだろう。実際アメリカではそうやって成長している事業だから、これをやろう(と考えたのです)。これは今まで日本にはなかったわけですから。ということでスタートしたのがオフィスコーヒーサービスですね。
【ナレーター】
その後、ダイオーズのオフィスコーヒーサービス事業は国内で多くの企業から支持され、パイオニアとしての地位を確立し、20年目にアメリカに進出。10年の時間をかけて大久保が導いた成功の一手とは。
【大久保】
日本で成功したビジネスをアメリカに持って行くというのではなく、特にサービス業であればアメリカのカルチャーに合った形でスタートすべきだと。なおかつアメリカでもたくさん同業者がいましたけど、やるならばナンバーワンの会社。10年間、ずっとアメリカ回っていましたから。なおかつアメリカの業界の中で優秀だと言われている会社が何社かありますので、私が実際に回った中でこの会社が一番素晴らしいという会社がカリフォルニアにあったので、その会社に目を付けて口説き落として、その会社を買収しました。
買収した代わりに「あなたを今度は核にしてアメリカ中に拡大するから、ぜひ譲ってほしい」という形で、世間の相場より高い相場で買収させていただきました。買収したあとは、そのオーナーに逆に買い手になっていただいて、同業者をどんどん買収していただくという形でスタートしましたね。特にM&Aで買収した場合は、買収した会社をきちんと育てる。一番いけないのは買収したあと、ごちゃごちゃになって実際の考えていたような経営ができないのが一番いけないんですよね。ですから、私どもの場合はサービス業ですし、継続サービスなので、まず地域を限定しました。
最初は核になっている会社がアメリカのロサンゼルスでしたので、20年前にスタートしたときはロサンゼルスだけに限定して、オーナーの方に「ロサンゼルスの同業者をどんどん買収しましょう」という形で買収を進めていきました。買収すればするほど密度が濃くなるので、採算が良くなります。特にこちらからデリバリーしますので、密度が高くなればなるほど配送の効率が良くなるのです。ですからお客様が増えれば増えるほど収益性があがってくる。それは地域を限定するということでやってきましたね。
経営者プロフィール
氏名 | 大久保 真一 |
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役職 | 元代表取締役社長 |
生年月日 | 1941年3月21日 |
会社概要
社名 | 株式会社ダイオーズ |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-7-12 東京駅JRサピアタワー14階 |
設立 | 1969 |
業種分類 | サービス業 |
代表者名 |
大久保 真一
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従業員数 | 1,674名 |
WEBサイト | https://www.daiohs.com/ |
事業概要 | パイオニアとしての事業所向けコーヒーサービス事業、数種類のお茶やコーヒーやお水を1台のマシンで提供できるティーサービス事業、世界中で最も安全・安心な水「ピュアウォーター」をメインとしたボトルウォーターサービス事業、玄関マット・清掃モップ等、環境衛生商品の定期的な交換及び、サービスの提供を行うクリーンケア事業、熟練された技術を持ったFCオーナー自らが定期清掃サービスを提供するダイオーズカバーオール事業 |