テスコム電機株式会社 100万台以上のヒット商品を生み出す「テスコム」のものづくり論 テスコム電機株式会社 取締役副会長 楠野 寿也  (2016年7月取材)

Vol.2 テスコム入社と組織改革

インタビュー内容

―テスコム入社と組織改革―

【聞き手】

実際、お父様やお母様に請われて、会社に入社されて、この会社にいらっしゃる方々というのは歓迎ムードだったのですか?

【楠野】

当然、当時の社長の息子だというところで、そのような受け入れ体勢もありましたが、何しろ電子部品業界も厳しかったです。それとは当然違った業界で、しかも、完成品、家電業界の小物家電の製造メーカーです。業界も使っている部品やそのようなものは多少なりとも似たり寄ったりというのはありますが、全くお得意さんや業界も違います。一つ一つ、聞くもの見るもの始めての状態でありました。

実は、入社して2〜3ヶ月か1ヶ月足らずのころに、研修で工場へ行ったことあったのです。我々の場合は、長野県の松本に工場があります。今でもその工場があるのですが、いわゆる組み立てをドライヤーを始め、そのような小物の家電の組み立てを、近くのパートタイマー、契約社員の女性の方を中心として組み立てをするというスタイルの、労働主役型のメーカーでした。非常にいろいろな面で問題がありました。

そのような組織の面や社員対策、人事体勢や働く一つの、例えば、そのような会議一つ、または管理一つ、そのような、私も前の新神戸電機のときには営業ですけれども、しょっちゅう工場へ行っていました。そんな若造でも工場長相手や製造部長相手に納期の話や品質の話などをしていましたので、工場の大事さやその有り様の重要性ということを、すごく分かっていました。

同じような感覚で父親の会社に入って、松戸に行ったときに、確かに大手企業と中小企業ですから違いはあるのですが、あまりに脆弱(ぜいじゃく)でした。やはりメーカーですから製造部門から立て直しをしないといけないということで、1〜2か月の予定が、最終的には約2年半。3年近くいました。ここをしっかり立て直す。まずそこの製造部門をしっかりといい形に、そのような工場、入社もなければ、工場に勤めたことはないのですが、お客様という視点から工場がいかに大事かということをそのときに勉強しました。そういう視点で、今日も、そのお客様視点というのは今も変わらず、私の基本的な考え方です。そのような観点から工場の建て直しという形で、スタートしたというのが当時の状況でした。

そのときは、確かに、ただ単に社長の息子だという見方もありましたから、私も、逆に、新神戸のときの上司や先輩から教わった、目線を落とす、同じ目線で話をしようということを心がけました。相手は社長の息子だから変なことは言えないなという、向こうからは言えないなというのがありますが、逆に、僕が言いやすい雰囲気を作りました。ですから、よく安い居酒屋ですけど飲みに行きましたね。元々、嫌いではないものですから。本当にそういうところで、僕も今はこうなのだということを、当時の幹部の方たちや平の方たちにも、今は自分のこういうところを何々だけどという話をしました。

そして、逆に、相手の悩んでいるところや、または、こうしたほうがいいのではないかという意見や考えを聞き出しました。そういうのをみんなで、結果最終的には話し合ってこうしていこうぜというチームワーク作りを合わせて、組織改革という一つの形だけではなくて、そういうマインドから行っていったというところも一つのスタートの中ではありました。


経営者プロフィール

氏名 楠野 寿也
役職 取締役副会長
生年月日 1960年5月23日

会社概要

社名 テスコム電機株式会社
本社所在地 東京都品川区西五反田5-5-7 テスコム五反田ビル
設立 1971
業種分類 電気機器
代表者名 楠野 寿也
従業員数 約230名
WEBサイト https://www.tescom-japan.co.jp/
事業概要 理美容電化製品並びに小型家電製品の販売
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