千房株式会社 ~お好み焼き一筋50年超!成長を続ける「千房」の人材育成術~

Vol.4 千房を成長させた“嫌だ”という意識

千房株式会社 代表取締役 中井 政嗣 (2016年8月取材)

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―千房を成長させた“嫌だ”という意識―

【中井】

(千房を成長させた”嫌だ”という意識)

一番最初に、22歳のときにお好み焼きと出会いましたね。食べるのは好きやけども、経営するのは関わるのは嫌だ。実は、この嫌だというのが、今の千房を作っているのです。社長ですら、お好み焼きに関わることを嫌だ、恥ずかしい、かっこ悪いと思っている。だから、そこに働く従業員はもっと恥ずかしい、もっとかっこ悪い。お好み焼き企業にならないのは当たり前だ。お好み焼きをいくら人手不足で従業員を募集しても来てくれなくて当たり前であれば、従業員が胸を張って、自信を持って、誇りを持って働けるようなかっこいいお店を作ろう。かっこいい会社になろう。これが今の千房になっているのです。改善や改革など、いわゆる大変という言葉がありますが、大変というのは、これは字のごとく大きく変われと書いているのです。これを改革と言います。大きくよう変わらんのであれば、小さく変わったら、これは改善と言うのです。私は、お好み焼きの改革から始まっていったのです。嫌だ。では、従業員が胸を張って、自信を持って、いい店を作ろう。それから、2店舗目から、もう会社にしたのです。会社にしようと思ったら、社訓や経営理念があるのです。お好み焼き屋で、何が社訓や、何が経営理念やと思うんやけども、会社だってやっているやん。独自の経営理念であったり、社訓であったりというのを、編み出していくのです。これらは全部、嫌だという発想ですね。

【聞き手】

今、ブランドとして3つありますよね。一般的な普通の『千房』というお店と、『ぷれじでんと千房』というお店と、『千房エレガンス』。普通の千房でも、一般的なお好み焼き屋さんと違う店作りというのを行っていらっしゃいますよね。

【中井】

はい。いわゆる、プライドを持って仕事ができるような、そんな環境。人は環境で育つという思いも一方であったので、自信を持って、誇りを持って。まして、『ぷれじでんと』というのは、あれは残念ながら、お客様には大変申し訳ないですが、お客様のために作ったわけではないのです。

【聞き手】

そうなのですか。

【中井】

あれは従業員のために作ったのです。なぜならば、こんなべーシックのお店で、40、50になってカウンターでお好み焼きを焼いていたり、あんなのをしていたら、多分本人は納得してくれるでしょうけれども、やはり結婚して子どもができたら、子どもがお店に来たときに、うちのお父さんはカウンターで汗だくになって、そんな姿を見たときに、惨めにならへんかしらん。そうしたら、ちょっとコック帽をかぶって、ピシッとした感じのそういうお店で、カウンターで立って焼いている。これはもう職人です。そういう姿を見たときには、子どもは誇りに思うやろうなと。

【聞き手】

そういう思いがあったのですね。

【中井】

そうです。だから、いわゆる、いい店を作ろう。それから、その人たちが年がいっても働ける、そんなお店を作っておこう。

(千房が掲げる3本の矢)
私どもは3つがあるのですが、これは3本の矢ですけれども、その中の1つは、まずお客様のご満足。従業員の幸せ。それから、会社の発展。この3つなのです。いわゆる、従業員が幸せでなかったら、接客するのは従業員ですから、お客様は満足せえへんやろうな。あるいは、お客さんが満足しなかったら、会社の発展はない。会社がつぶれかけているのに、お客さんの満足や従業員の幸せはあり得ない。だから、3本とも、どちらも三方よしという経営をやらなければいけません。創業当時、ここからスタートしました。1年もたたないうちに、ガガガーッと伸びていきました。そのときに、私はお店に出ていますから、お客さんは喜んでいるのやろうか、満足してんねやろか。味もそうだし、値段もそうだし、雰囲気も満足してんねやろか。お客さんに喜んでもらうためには、この体でできるサービスだったら、僕はどんなことでもしよう。そのときに、前味、中味、後味というのが誕生するのです。一番最初に来られた瞬間の味「前味」。お好み焼き、焼きそば、メニューのそのものの味「中味」。「後味」というのは、来店されてから帰られるまで関わった人の味なのです。この3つがそろって初めて、「また来るね」。来てもらったときに、本当にありがたいという思いでした。この本店も店長を作ろう。店長を作って、私は現場から去ったのです。

【聞き手】

なるほど。もう経営にシフトして?

【中井】

経営。これから、多店舗展開にチェーン展開していく。そのためには、私がここにおったのではだめだということで、上の事務所に引っ込んだのです。途端にお客さんが「マスターは?」って。おりませんから、「いてない」。食べないで帰る。

【聞き手】

なるほど。人の力で呼んでいた部分というのがあったのですね。

【中井】

そうですね。だから、要するに、お客さんをつけるためには、どうしたらええの?というのは、徹底的にたたき込みました。根掘り葉掘り教えました。そうしたら、3か月目ぐらいから、ガッガッと伸びてきたのです。1年たったときには、全く関係なく。そのときに、あらためてチェーン展開できる。これで、経営者です。


社長プロフィール

President's profile
氏名 中井 政嗣
役職 代表取締役
生年月日 1945/9/15

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