株式会社ハードオフコーポレーション ~国内リユース業界の雄をつくり上げた“4つの理念”~

Vol.2 『ハードオフ』誕生秘話

株式会社ハードオフコーポレーション 代表取締役会長 山本 善政 (2016年8月取材)

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―『ハードオフ』誕生秘話―

【山本】

本当はもう少し勉強したかったのですが、たまたま新発田市の中に新しくアーケード街ができて、貸店舗のいいものが出るという話があって、そこに出したいなと。たまたま実家が普通の電気屋で、父がいて、兄が継ぎますよね。ただ、普通の電気屋ではなくて、これからはオーディオや黒物家電というか、もっと趣味的な、普通の電気屋よりはもっとかっこいい電気屋をやりたいなみたいなところがありました。それで、オーディオショップをスタートさせました。小さい店です。15坪ぐらいの店ですから。

それはもう無我夢中で、本当に毎日の売り上げが欲しくて。かといって、お店を開いたからといって、お客さんが来てくれるわけではないので、当初2〜3年は毎日、昼は外商していました。飛び込み営業ですね。1日100軒ぐらいドアコールをして回って、そこで情報を、テレビやステレオはどうですかと。そうすると、大体奥さん方がいて、うちのお父さんが欲しがっているとか、そのような情報を取って、最初の数年間は夜に強引に(電化製品などを)持ち込んで、無理やり買ってもらうなどしてもらいました。そうやって売り上げをつくっていきました。

最初は私と女子事務員さんの2人でスタートしたわけです。そうすると、昼は私がそうやってほとんど外商に出かけて、女の子が1人で店番をしています。そのうち、男の社員さんを採用しました。しかし、みんな辞めてしまうのです。それはそうです。やはり1日100軒ぐらいの飛び込み営業というのはきついから、こんなことをしていたら社員さんも育たないと思って、思い切って店売り100%にシフトしたのです。外商をやめて、その分のエネルギーを店でお客様に来ていただこうと。よりオーディオの趣味的なお店にシフトしていったのです。

新発田市にも1店出して、これはいけるなと思って、村上市や三条や新潟に次々、いくつか店を出しました。当時、オーディオの全盛のときに、同時にコンピューターの時代もきまして、パソコンショップも3店舗出したり、レコード店を出したりしました。ただ、通常の家電量販さんがやっているような冷蔵庫や洗濯機などの白物家電はしないで、あくまでも黒物家電の専門店ということを突き詰めて商売をさせてもらいました。

私は新潟でオーディオ店をやっていますよね。そして、ブックオフの創業者の坂本孝さんは甲府でユアーズというオーディオ店をやっていたのです。今から思えば、もう40数年前に、オーディオメーカーの勉強会で年2回ぐらい会う大先輩で、とても斬新なアイデアの素晴らしい人だなと思っていたのです。少しはお付き合いがあって、これからは循環型社会で、中古、リユース、リサイクルということで、『ハードオフ』というお店をやろうと。

いよいよ立ち上げようかなというときに、本当に運命的に坂本さん(ブックオフ創業者)と15年ぶりぐらいに再会したのです。そうしたときに、坂本さんはオーディオ店をとっくにつぶして、甲府からいなくなって、様々なビジネスをして、行き着いたときに、本当に小さな店で10坪、20坪の『ブックオフ』をスタートしたばかりだったのです。それが本当に運命的な再会をして、お互いに考えていること、リユース、リサイクルで今までにない明るくてきれいなお店、価格の透明度のあるリユースショップを模索していることが全く近かったのです。そうしたら、私は私でオーディオ中心の『ハードオン』という店を立ち上げます。こちらは『ブックオフ』が少し立ち上がったところですね。

だけど、いざやろうとして、店名だのいろいろ考えると、『ハードオン』より、『ブックオフ』、『ハードオフ』のほうが相性いいですねということで、『ハードオフ』という店名でうちはやりますと。ロゴも合わせて、色も黄色とブルーをお互いに反転し合いましょうということで、スタートしました。本当に私も退路を断って、この『ハードオフ』をスタートさせたわけであって、もちろん考えに考え抜いて、経営理念からビジネスモデルから、いろいろな行動指針から全て作り直してスタートさせました。

ただ、やはり新潟の1号店のオープンのときに、お客さんが2月11日は新潟の寒いときに、数百人が並んでくれたのには、本当に驚いたし、やっとこれでもしかすると生きられると思った瞬間ですよね。トンネルの先に明るさが見えたという、そんな感覚でした。

社長プロフィール

President's profile
氏名 山本 善政
役職 代表取締役会長
生年月日 1948年4月1日

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