株式会社マーベラス ~キャラクタービジネスの新境地「2.5次元ミュージカル」成功の舞台裏~

Vol.2 『マーベラス』誕生秘話

株式会社マーベラス 元代表取締役会長 兼 社長 CEO 中山 晴喜 (2016年8月取材)

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―『マーベラス』誕生秘話―

【中山】

母親が病気になって、父親がセガにいたので一緒に働いたら?みたいなことはチラッとあったかな。でも、それが直接の全部、なんか大きな決断をしたという感じは別にあまりなくて、なんとなく。もう1つ、セガがすごく海外で元気だったので、それは少し面白いなと思っていました。あとは、ゲームというのも、おもちゃやお菓子をやってきて、次にゲームに携わるのも少し面白いかなというのもあって、転職したという感じです。バンダイの創業メンバーだった方で、1回引退していた方が、セガがおもちゃ事業があまりうまくいっていないということで、その人にラブコールを送って、何年ぶりかに復帰して、その方が専務で入ったのです。その人が入って、トイ事業部の立て直しをやっているときに、頼まれたというか。最初はミーティングに出させられるようになって、意見をいろいろ聞きたいと言われて。気は当然合うんです。元々同じバンダイだから、考え方はすごい似ているのです。その人の元々の考え方を受け継いでいるようなものだったので。だったら、ちょっとトイ事業部のほうをやってくれと言われて、トイ事業部でマーケティングや営業を見るようになって。まず、1つは在庫処分をすること。在庫がひどかったので。ほとんど不良在庫だったのです。あとは、やはりものづくりのスタンスが完全にマーケットインではなくて、プロダクトアウトだったので。技術思考がすごくセガが強かったのです。おもちゃの会社はあまりそんなに技術思考が強くないのですが、セガはどうしても横にゲームのセクションがあるから、そっちから来ている人たちがおもちゃを作りますよね。そうすると、今まで1万いくらかかったものが、7,000円でできることになったので、これを作りたいみたいな発想から入ってくるのです。それは、彼らにとっては安いのかもしれないけれど、必ずしもマーケットに受け入れられるかというところは、また別です。作る数量も市場がどれくらいあるかということよりは、8万作らないともうからないから、10万作りますみたいな。そして、4万しか売れない。6万が在庫になりますという、それのずっと繰り返しをやっていたので、マーケティングの承諾がないと作れないよという形にしました。あとは、いろいろな商品のコストダウンを結構がりがりやりました。結果的にはもうかるようにはなった。でも、大変だった。バンダイはすごくファミリー的な感じで、みんな新入社員から入って、みんな生え抜きの人が圧倒的に多くて、どちらかというと、中途の人とかは当時はすごい少なくて。セガは逆に、もう本当に外資系みたいな会社で。元々外資系だったので、いろいろな人がしょっちゅう出入りが激しくて。でも、そういう人が入ってきても、別に受け入れられるみたいな土壌がすごくあったのです。それはそれですごく良かったと思っています。両方持っているほうがいいなと思って。だから、うちは今、新入社員を必ず毎年きちっと採りますけど、同時に、その倍ぐらい1年間で中途が入ってくるのかな。だけど、1年もいれば、誰が誰だか分からなくなって、誰が生え抜きで誰が中途か分からなくなっているみたいな、そういう雰囲気が多分一番いいかなと思うのですが。それは両方見たからそういうふうになったと思います。トイ事業部をやる前に、キャラクター部をやっているときに、結構いろいろなライセンスをしていたわけです。例えば、1つはゲーム音楽。ゲームの音楽を他社にライセンスしたり、ゲームのキャラクターを使ってアニメーションを作ったり、そういったことをしていて、これはいろいろとマルチメディア展開で結構横に広げていくビジネスというのは面白いなと。ゲームやおもちゃではなくて、横串でガーッと全部をやるというのは、そういう会社は結構楽しそうだなと思って。最初はセガの中に音楽の事業部やアニメの事業部や、今うちがやっているようなことを事業部で作ろうかなと実は思っていたのですが、それがそのうち、だったら自分で独立して一からベンチャーでやろうかなという考えに変わってきて、この設立に至ったという感じです。自分で会社をやってみるのもいいかなというところや、さっき言ったようにそういうビジネスを、なかなかちょうど自分が理想としているような会社が以外となかったんです。全部やっているのが。音楽をやっていて、映像をやっていて、ゲームもやっていて、舞台もやっていてって、あまりないのです。今考えても、なかなかないですよね。だから、これを全部やれるような会社というと、どこかのグループで、例えば、バンダイグループを全部合わせれば、多分うちの業態をカバーするかも知れないけど、なかなかそれくらいしかないですよね。なので、では、作ったほうがいいかなというのと、あとは、よくよく考えてみると人に使われるのも嫌になってしまったというのもあります。組織が大きく手面倒くさくなってしまったのです。何から何まで時間がかかるし。キャラクタービジネスは生鮮食料品みたいなものなので、時間がかかるのが一番良くないのです。当たるか当たらないかをいくら皆で話し合ったところで、そんなものは分かりっこない。やはり誰かがピンときて、これだと決めたら、リスクを取ってやるしかない商売だと思うので。それは、やはりなかなか大きい会社にいると、何から何まで時間がかかって、それも少しかったるくなってしまったというのもあったかもしれないです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 中山 晴喜
役職 元代表取締役会長 兼 社長 CEO
生年月日 1964年8月13日

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