株式会社串カツ田中 ~苦難を乗り越え躍進を続ける串カツ屋の“夢実現”の手引き~

Vol.5 成功の裏にあった“不安経営”

株式会社串カツ田中 代表取締役社長 貫 啓二 (2016年10月取材)

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―成功の裏にあった“不安経営”―

【貫】

多分僕は一生串カツ田中をやり続けるんだろうな、100で止めるとか、増やせる限り増やしていくんだろうなと思ったんですよね。じゃあ、増やせる限り増やそうと思ったら、やはり上場する方が早いのかな、と。資金力や信用力を付けないとやはり串カツ屋で働きたくないとか思われているようでは駄目ですし。ブラック起業では駄目ですし。色々なことを考えた時にやはり上場が適しているだろうな、と。成功確率が極めて高い串カツ田中を育てるということであれば上場が向いているし、スタッフのためにもその方が良いのかなという風にも思いましたので、その道を選んで進めました。

上場するというミッションや一つの目標の中で、それに向かって取り組んでいくと会社がどんどん良くなるんですよ。やはり考え方も僕らもどんどん変わっていきましたし、ガバナンスやコンプライアンスを守るとか、そういったことをやっていく中で必要なことに気付きまして。本当に良かったなと思っています。

僕らが上場なんて窮屈になるだけだからやらないと言っていたら、100店舗を超えた時点で内部は崩壊していただろうなと思うんです。でも上場を良いタイミングで、ちょうど70店舗くらいの時に目指し出しまして。なので、100店舗は特に何もなくスーッと過ぎていって、今でも別に粛々とやっていってますし。もし上場目指していなかったら危なかったと思いますね。

今の体制だと50も100も一緒ですけど、多分300くらいまでは一緒かな、と。多分300は全然違うのかなと思っていますので、おそらく200くらいから何かまたそちらに向かって会社を大きく変わらないといけないのかなと思っているんですが。僕は経営の仕方で、不安経営と言っていますが、常に不安なので、不安だから新しいお店を出そうとか、不安が次へ進む一歩の要員になっているので、串カツ田中が駄目になったらということを常に想定しながらフランチャイズもスタートしたり、多店舗展開も大きくしようというよりは、駄目になるんじゃないかということを前提にやってきたので、上場しても駄目になるんじゃないかということを前提に仕事をしているのは、全く変わりが無くて。5年後、10年後をイメージする時に、駄目になるから今何か考えておかないといけないなというのは常に思っているので。僕の経営方針は不安経営というのはずっと変わらないですね。

大きく変わった人もいれば、普通な人もいますね。店舗で働いている分には上場したと言った日から何か変わるかと言っても特に変わりませんから。そんなに上場で会社のスタッフが良くなるということは無いと思いますね。それよりは、イエスを上げていかないと会社が良くならないという感じで、上場とは無関係にあたり前のように従業員満足度を上げていくという努力はし続ければいけないということは思ってますけど。

教育の中で例えば色々な表彰とかをやるフォーラムとか総会とかを開いたりとか、運動会をやったりとか、慰安旅行も海外に連れて行ったりとか、色々なことをしてますが、やはり従業員満足度をどうやって上げて、それをお客さんにどう返して、どう成長して串カツ田中を育てて、今となっては株主さんに貢献出来るかということも考えなければいけなくなってますから、それをさかのぼっていくとやはり従業員満足度、顧客満足度、これを追求していくしか、テクニックで株価をどうのこうのというのは、そんなの長期で見たらなんてことは無いので、やはり地に足着けて従業員満足度や顧客満足度をしっかりと上げることが出来ればそれは株主さんにも貢献出来ることだと思いますし、真面目に透明性を持ってやるということですかね。それに尽きると思います。

田中総会が、フランチャイズが入った総会もありますし、アルバイトフォーラムというアルバイトさんだけでやるイベントもあるんですね。我々はアルバイトさんにいつも伝えているのは、自分の人生で、生きているのは大事な時間じゃないですか。それを、1時間の作業をたった1000円で売って良いのか。それってすごくつまらないし、しんどいし、めんどくさいじゃないですか。時給1000円欲しいからやってるんだよと言うと、そこに学びが全く無くて、楽しさも無くて。その1時間を一生懸命お客さんや仲間の笑顔のために使って1000円もらっていたら、それはいつか1100円になって自分にも返ってきますし、楽しい1時間が過ごせるじゃないですか。労働が楽しいということになれば、やはり人生ほぼ働いて死んでいくわけですから、人は。人生が豊かになるんだよって。だから、ここで気付かないといけないということは常に伝えていて。時間を安い1000円なんかで切り売りするなということは言ってます。それは串カツ田中を卒業して行った後でも習慣化されていると、どんな仕事に就いても、何かやりがいとか、周りの笑顔のために頑張れると本当に豊かな人生になるからということはすごく伝えて。それを伝えるための運動会であったり、それを伝えるためのフォーラムだったりはやっていますので。仕事が楽しいとなればお客さんも絶対良くなりますから、一生懸命それを伝える作業は工夫を凝らして、年々ブラッシュアップしながら伝え続けているという感じですかね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 貫 啓二
役職 代表取締役社長
生年月日 1971/1/27

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