株式会社フェローテック ~世界シェア約7割の製品を保有。国内外の製造業を支えるトップメーカー~

Vol.3 ベンチャーでの挑戦と窮地に陥った独立

株式会社フェローテック 執行役員代表取締役社長 山村 章 (2016年12月取材)

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―ベンチャーでの挑戦と窮地に陥った独立―

【聞き手】

フェローテックという会社の始まりについてお聞かせください。もともとはアメリカの方でご入社をされたのでしょうか?

【山村】

たまたまボストンに戻ったときに展示会に行きました。真空のショーとかセミコンダクターショーがあったのですが、そこに、モスコビッツという男がいました。社長自ら商品説明をしていたんです。それで僕も磁気関係の仕事していたものですから、彼と知り合いになって、年に2度ほどショーで会うようになりました。モスコビッツは100万ドル足らずの売り上げだった頃から「グローバルにしなければいけない」と(言っていました)。「そういえば山村章というのは年に1、2回来ているけど、あいつは面白そうだから面接しよう」ということで、彼以外にも5人くらいに面接を受けたかと思います。初めは面接だとわからないまま話していたんですが、最後の方にモスコビッツから、「日本に戻らないか」という話になりました。日本に戻るのはいいのですが、フェローフルイディクスというのはまだ小さな会社でした。ですが、ビリオンダラーカンパニーというグローバルなものをつくろうというアイデアには、何となく触れるものがあったので、参加した次第です。

【聞き手】

アメリカの製品の販社ということでスタートされたのですよね。

【山村】

そうです。81年から独自で、代理店から人を1人頂いて、2人で始めました。その半年後の売り上げが1億円でした。それから翌年は5億円だったと思うのですが、そのような感じでポンポンと、まるで1歩歩くと1万円という感じでした。ちょうど今の中国のように、半導体を日本製にしろと、半導体製造装置を日本でつくろうということで、半導体製造装置の9割近くをアメリカから輸入していたんです。今の中国とほとんど同じ状況です。もう1つ政府がバックアップしたのは、ハードディスクドライブの日本周辺装置という会社をつくって、それで共同開発にする会社をつくった。共同開発で、良さそうなのがあるとみんな自分たちで自分の会社に持っていってやっていたようですが、そこもあったので、磁性流体の応用の1つとして、ディスクドライブの内部にゴミが入るのを嫌うので、そこに磁性流体シールを使うべきだというアイデアがありました。(当時は)まだ実際に使われていませんでしたが、数年後には、そのハードディスク用のシールに関して世界を独占していました。

【聞き手】

たったお2人で、日本で始められて数年後には世界独占……すごいですね。

【山村】

しかし、動きだして6年後に売り飛ばされてしまいました。向こうの会社に頭のいいCFOが来たんです。そのCFO曰く、「あと2年で真空シールのアメリカ軍のパテントが切れる。その前に売ってしまった方がいい」と。「日本も円高で景気がいいから、全部買い手を探してくれ」と。「お前がヘッドクオーターとして、日本に持っていこうがアメリカでやろうがいいけど、僕(山村)に全部任せるからやってくれ」というような話になったんです。そして、日本で買い手を探したら、アメリカはもう上場していて買ってもうまみがないから、日本だけなら買うという話になってしまった。僕はハイテク産業というのはグローバルではないと絶対に生き残れないと思っているので、日本だけ売られてしまうと(いうことを懸念していました)。日米不可侵条約ではないですが、子会社時代に結んだ契約でテリトリー分けしていたんです。僕は反対していたのですが、結局そのまま、日本だけで売られてしまったのでしこりが残ってしまいました。

社長プロフィール

President's profile
氏名 山村 章
役職 執行役員代表取締役社長

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