株式会社THINKフィットネス 起業は仲間との約束…『GOLD'S GYM』経営者が語る創業秘話 株式会社THINKフィットネス 代表取締役社長 手塚 栄司　 (2017年1月取材)

―THINKフィットネス 誕生秘話―

【手塚】

空手の大会で全日本選手権に出るからと、それを目標に、それを出たらぜひ協力してくれというようなお願いをしていました。だけど、そこにたどり着くのが大変で、怪我をしたり、強いやつが出てきたり、なかなか自分自身の思いと実績が伴わずに、非常に苦労しました。

途中で「このペースではだめだ」と思ったので、仕事でよく出張が多かったこともあり、（出張で）行った先の全国の道場に行かせてもらうということを私の先生にお願いして、全国の支部に出稽古に行かせてもらうことになりました。何となくそれは後に『ゴールドジム』をやった時のマスター会員制度に繋がるんですけど、行った先々ではコテンパンにやられました。でも、それがすごいよかったですね。そういうことを1年半くらい続けているうちに、段々自分を知り始めて、自分の弱さがよくわかって、それをどう克服するかも客観的に見えたり、異なった先生の指導を受けながら学ぶ点が大変多かったりもしました。その結果、それを自分の道場に持ち帰って後輩なんかと一緒に稽古してるうちに、周りがどんどんお互いに切磋琢磨して強くなっていき、気づいた時には自分自身が色々な行った先々で出会った方ともまた縁ができました。

その当時、出稽古先で出会った同世代の人たちは各地、様々な空手道場の代表になったりしている人が多いので、その時に全国回れたおかげで、今度またそれも仕事につながってくるという、不思議な流れができたと思います。それが22、3歳の頃ですね。自分が全国大会に出られるというところまで辿り着けたときに、友人たちに実は「1つ掲げていた目標に近づいてきた」ということで、できればその時に話していたような、今度はその大会が終わったら自分の中でそういうスポーツ関連の仕事、海外と繋がる仕事をやりたいんだと。本気にしてたかどうかわからなかったんですが、「あの時言っていた、出資とかしてくれる？」という感じで話したんです。有難いことに皆さん、貯めていてくれたんですね。その大会に出ることが目標で、その次に起業するということが目標でした。

ちょうど極真空手の第17回全日本選手権当日に、私は試合に出ていて、友人たちはその試合を見に来てくれた後に、みんなで集まって、それで会社名が決まっていたと。ですので、私は空手の大会で怪我をするんです。怪我をして病院に行って、みんなのいるところに集まったら、もう会社名が決まっていました。事実上、確か11月2日だったと思いますが、その日が初めの一歩でした。本当に空手の大会出ることと、会社がスタートすることがまさに同じ日に始まったような形なんです。