株式会社エアウィーヴ ~睡眠の質を高める“魔法の寝具”『エアウィーヴ』開発秘話~

Vol.3 エアウィーヴ誕生秘話

株式会社エアウィーヴ 代表取締役会長兼社長 高岡 本州 (2017年9月取材)

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―エアウィーヴ誕生秘話―

【ナレーター】

日本高圧電気を引き継いだ後、親族が経営していた別の会社を引き取り、二足の草鞋を履くことになるのだが、業績は芳しくなかったという。その状況を打破するために誕生したのが、『エアウィーヴ』だった。

【高岡】

中部化学には、ユニークなこういうクッション材をつくれる技術がありました。ですので、機械製造業をやめて、このクッション材をBtoBで売ろうと考えました。BtoB、企業様にですね。例えば寝具メーカーとか椅子屋さんとか、そういったところに売ろうと思って2年ほどやっていました。ただ、なかなかこの価値が認められませんでした。2006年の段階で2年やってみてうまくいかない。そうするとこの先ずっと赤字の会社を抱えているのもいけないので、これで寝具をつくろうというふうに、2006年に思ったのが『エアウィーヴ』ですね。

僕は、実は若い頃に交通事故でムチ打ちをやっているんです。肩が凝ったりするので、そういう中で反発力の弱いマットレスだと、どうしても寝返りを打ったりするのが大変です。私はもともと物理屋です。体を動かすのは、こういうスプリングが細かく集まったような状態と一緒なんですね。ですから、戻るわけです。物理的には、こういうもので寝具をつくった方がいいのです。(ないなら)じゃあもう自分でつくってしまえというので、2006年から1年準備して、2007年の6月に発売を始めたのが『エアウィーヴ』です。

【聞き手】

ちなみに「つくってしまえ」と思った時に、「これは売れるぞ」と思われたのか、「とりあえずつくってみようかな」という感じだったのか、どちらだったのでしょうか?

【高岡】

つくろうと決めたのは、2006年の6月です。BtoBからBtoC、コンシューマー向けに変わるわけです。一応、学生時代に経営学をやっていたので、マーケティングとか色々なことを決めないといけないので、1年準備しました。製品を色々な方に配ると、皆が良いと言ってくれるわけです。それによって絶対に売れると思っていました。

【ナレーター】

絶対に売れるという確信のもと、販売準備を進め、2007年6月に満を持して販売を開始。しかし、現実は甘くなかった。

【高岡】

全然売れないんですね。初年度、1年で、4000万円か5000万円くらい広告をかけて売れたのが、200枚でした。ですから、200枚で当時の売値で考えると、約1000万円です。原価4000万円かけて、売り上げが1000万円ですから、当然、利益はもっと少ないですね。だからその初年度だけで1億円以上また赤字を出していたと思います。

これは当然でして、寝具とかベッドは売り場を取らないと勝てない業界なんです。買うことを決めた人が売り場に行って、その売り場にあったら買うわけですから、売り場に置かないといけない。アメリカでもそうですし、日本でもそうですけど、経済成長が高度成長になる時期に寝具メーカーがバッと出てきて、エリアを押さえて、ロジスティックス、物流を押さえてお店を押さえると、これで勝てるんですね。ですから、アメリカの4大ベッドメーカーというのは、やはり1900年代初めにバッと出てシェアを取っているわけです。日本も同じです。そこへ、小さな会社が変わった素材でマットレスをと言っても売れないですよね。

ただ、ひとつ言えることは、これを使ってくれた人たちとか、とにかくスポーツ選手なんかはもう、寝たらすぐ「ああ、これは良い」と言うわけです。ということは、間違いなく良いモノだというのはわかったわけですね。良いモノで売れないというのは、やはり売り方がまずいわけです。それならば売り方を変えようと。商品ではなくて売り方を変えれば何とかなるはずだということで、我々はとにかくブランディングなど色々な活動を2007年、8年くらいから、ずっとコツコツやっていきました。

社長プロフィール

President's profile
氏名 高岡 本州
役職 代表取締役会長兼社長

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