【ナレーター】
長年、人々の憩いの場として愛され続ける喫茶店。セルフサービス形式のカフェの増加や、特色あるメニューやサービスの提供など、時代のニーズに合わせ変化をしている。
そんな中、喫茶店としての機能だけではなく、ビジネスユースや地域コミュニティの起点となる場所としての利用にも着目し、回転率よりも利用者の快適さを訴求したサービスで、首都圏を中心に出店数を伸ばしている企業がある。
株式会社銀座ルノアールだ。
「都会のオアシス」といったコンセプトのもと、注文から商品提供まで丁寧なフルサービスで心置きなく寛げる空間を創造。
『喫茶室ルノアール』で提供される温かいお茶のサービスは、創業以来半世紀以上も守り続けている銀座ルノアール独自の「おもてなしの心」を体現し、好評を博している。
全国展開を目指し、祖父の代から続く銀座ルノアールを更に成長させるべく、経営者としての資質を磨き続けた、3代目社長の努力と挑戦の日々に迫る。
【ナレーター】
大学卒業後、銀座ルノアールを発展させたいという志のもと、レストラン事業を展開する企業に就職。社会人としてのふるまいや仕事への向き合い方などを学ぶ中で培われた、小宮山の接客へのこだわりとは。
【小宮山】
呼ばれてしまったらもう負けというふうに思っておりました。やはり呼ばれる前に、お客様の欲しいものを雰囲気や目線でしっかり読み取る。すぐ対応できないようであれば、一声かけるとか、そういったことでしっかりフォローする。
そうした気配り目配りということができるかどうかということも、非常に自分の中でこだわりがあったが故に、自分の中では失敗というか、ミスしたなというようなことでそこには非常に神経を配る、更に神経をとがらせるようになりましたかね。
ホールは割と自分の中では得意としていたのですが、やはりファミレスですから、キッチンの方に入ると全然だめでしたね。これがまた難しくて、ピークの時はキッチンの中に5、6人が固まっていて、それぞれポジションがありました。
サラダを盛り付ける係、ハンバーグを焼く係だとか色々な担当がありまして、それをタイミングよく盛り付けて、熱々の状態で1つのテーブルで複数の方がいたら同時に出すというようなことを組み立てながらやるのが非常に難しかったです。
人生の先輩のような方達がたくさん周りにいて、そこでパニックになってしまいよくパンクしていましたね。技術だとか経験が上の先輩たちに対しては、やはり謙虚に教えてもらうという立場でいることを心掛けました。
最初はそうではなかったのですが、やはりそういかないと自分自身も成長できないなという経験もさせてもらったので。実際、『喫茶室ルノアール』等の店舗でも社員になろうという方達に対しては、いかに自分自身を生かすというか、輝かせるかという中で、社員だから偉いとか、そういうことではなくて、お客様を喜ばせることが大切だと伝えています。
アルバイトさんも、社員も、私もそうですが、お客様からするとみんな同じにしか見えないと思うんですよね。ですから、自分の役割や立場の中で力を存分に発揮して、その力の集合でお客様を喜ばせられるかというのが1つの成果というか、結果に繋がるのかなと思っております。
そこを、本当に身を持って私も経験してきたので、それを話したりします。何とか伝えて理解していただいて、お客様の満足につなげてもらいたいなという思いで、お話しすることもあります。