【ナレーター】
従業員に対して失敗することを推奨していると語る小宮山。
その背景には、店舗経営において小宮山自身がその重要性を痛感させられたという、前職時代のあるエピソードがあった。
【小宮山】
本当に気を付けなければいけないなと思っているのが、実は「トイレ清掃」なんですね。
ピーク中は利用される人数も多くなればなるほど、どうしても汚れやすくなってしまいます。たまたまなんですけども、やはりそういうピーク中に、ウェイティングで待っているお客様が待ちながらお手洗いをご利用になった時に、ちょっとひどい状態だったんですね。
それで、やはり「こんな管理状況のお店で飯なんか食えないよ」というふうに言われまして、ご立腹でお帰りになった。これが私の中では非常に強烈に残っています。
忙しいからとか、そういうのもお客様からすると言い訳にはならない。当然食べ物屋さんですから、衛生面は非常に大事です。やはりそういったところにもしっかりこだわって、逆に気持ちよくトイレを使えるお店だというイメージを持たれると、お店の印象も多分だいぶ変わってくるのかなと思っております。
今の仕事においても、やはりお手洗いの環境整備、トイレを綺麗に保つということは意識するように、口を酸っぱくして言わせてもらっています。
人間はやはり失敗から学ぶことが多いですよね。どんなに素晴らしい言葉が書いてある書物を読んだとしても、どんな整備されたマニュアルを見て「そうだよね」と思ったとしても、頭に入ったからといって体で体現できるかというと難しい。
やはりそれは、一度痛い思いをすることによって、自然に体が反応するというところまでもっていかないとならないと思います。頭が反応するのと、体が反応するというのは、感覚が全然違いますからね。スピード感も違います。
腑に落ちたものと、落ちてないものというところで、気持ちのバイアスみたいなものがかかって、頭で理解していても体で理解できてないと、やはり結局できないんですよね。
そういう意味では、良い意味でどんどん失敗しろとみんなには伝えています。
―視聴者へのメッセージ―
【小宮山】
日ごろより、銀座ルノアール各店舗をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
弊社では快適な空間とおもてなしを大切にした業態を多数取り揃えております。特に『喫茶室ルノアール』では、お茶のサービスが非常にみなさまに好評いただいております。
お茶のサービスというものは私たちの思いとして、「ごゆっくりしてください」というものの1つ象徴ということで、みなさまに楽しんでいただきたいと思っております。こちら、コーヒーを飲み終えてもさらにお茶をゆっくり飲んでいただきながらごゆっくりしていただきたい。
ただ、そういう思いで出させていただいておりますので、ぜひとも、空間、またおもてなしのサービスというものを感じていただきながら、心豊かになったり、リフレッシュしたりするような場として、ぜひ、今後ともご愛顧いただけましたら幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。